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多数の学生が不審精に声掛けられる

本日、オルフェ国立魔法学校の第2指定通学路で、多数の魔法学校生が精霊に契約を持ちかけられる事案が発生しました。

精霊は自身を『月下の黒樹』と名乗っており、緑色のオーラを放ちながら宙に浮いていたとのことです。

幸い、契約を断られると、光の粒子と化し霧散したため学生に怪我等はありませんでしたが、近隣の地域に用がある際には、十分に注意して下さい。

南部ハウザルで50年に一度の記録的な“女の子”降り(気象情報)

王立星読院は、ハウザル地方で記録的な“女の子”が確認されていることを発表しました。これほどの降下量は、元治世では初めて。アウストル城塞、アトス市、ダデ市、プラム村では女子警報が発表されています。

“女の子”降りは、ハウザル地方で確認される局所的な気象現象のこと。学術的には未だ原理が不明な部分が多い一方で、空から女の子が降ってくる6月の南部ハウザルは観光シーズンとして賑わっています。

王立星読院は「女の子が屋根を突き破る可能性がある」とコメント。既にアトス市では累計876人、ダデ市で198人、プラム村では280人の降下が観測されており、今季の“女の子”降りは受け止めきれるものではない模様。既に幾人かの女の子が農耕地に突き刺さっており、マンドレイク農家は雄株への影響を懸念しています。

集中的な降下が確認されているアウストル城塞では24時間で3000人を超える降下量を記録。受け止められずに着弾した女の子による被害が広がり、多数の建造物や街路が損傷しています。

ハウザル地方を訪れた観光客は、
「受け止めに来たが、あまりに多すぎる。まるで迫撃魔術だ」
「女の子との物語が始まる前に、自分の命が終わってしまう」
と、複雑な心境を語りました。

南部ハウザルでは、女子警報が発令されています。真上からだけでなく、鋭角に降下してくる女の子にも注意が必要です。王立星読院は引き続き、性別によらない受け止めを呼び掛けています。

“エルフの森離れ” ここ十年で増加のワケは

森に生まれ、森に暮らし、森と共に生きていく――そんなエルフ族の典型的な生活観は、もはやステレオタイプとなりつつあるのかもしれない。

エルフ情報専門メディア『アルフヘイム』の調査によると、故郷の森から外部の村・街へと移住したエルフ族の人数は、ここ十年にわたって増加の傾向にあるという。特に、二十代から八十代にかけて幅広い年齢の若者が”森離れ”を始めている。

「閉鎖的な生き方そのものが、今の世界には向いていないんだと思います」

数週間前に森を離れたばかりのEさんは、故郷の生活を客観的に振り返る。

「エルフは温厚で、他種族との共存にも好意的。ですが、排他的な面があることも事実。良くも悪くもプライドの高い人が多いので……」とEさん。森での生活は満ち足りていた一方、言いようのない閉塞感も感じていたと語る。

「伝承を重んじる人が多いんです。数百歳とか、高齢の方は特に。先祖代々、森で生きてきた人にとって、あそこでの暮らしは使命に近い感覚があるんですね。でも私は、将来的にはその価値観を変化させる必要があると思っていて。反抗と言うと幼稚ですけど……離れることで、見えてくる姿もあるのかなと」

話しながら、たびたび苦笑を見せるEさん。街での暮らしにはまだ不慣れな点も多いが、「ひとつずつ身につけていきたい」と意欲を見せていた。

近年、エルフ族に限らず、他の種族にも同様の現象が見られつつある。昨年には北方竜人族の火山からの大移動も話題となり、世間を大いに騒がせた。時代の転換期は着々と近づいている――我々はどのように対応を進めていくべきだろうか。

晴天魔法特許 懸念を払拭

カレンツァ皇国のテロメノ魔導研究所所属の研究員が、通称『晴天魔法』の特許の取得をしたとの発表があった。

テロメノ研究所のマーティン・ラザ・ナーチス所長は報道陣に対して「こんなにも晴れやかな気分なことはない」と笑顔で応える。

従来、天候を雨空から晴天へと変える魔法は、雨雲を消滅させる手段が用いられていた。そのため、誤った対象に用いた場合に大きな被害が出る懸念があった。その改良のために多くの研究所で試行錯誤が行われる中、マーティン所長は厚い雨雲をより広範囲に拡散する方法を模索。しかし、形が常に変動し続ける雨雲を術者の思う通りに動かすのは、繊細なコントロールが必要となり、至難の技であった。

そこで雲が動く方向に指向性を持たせることにし、雲自体が自然に晴れるように動かそうと目論んだ。

そして、雲を動かすのは呼び水の魔法の応用によって実現された。雲が水で構成されているのを利用し、水を引き寄せる呼び水の魔法に着目した。

ただし、従来の魔法式では近くの民家や川からも水を引き寄せてしまう。これに対して、魔法式の改良を行った。

気象再現器具を用いて再三の失敗を繰り返し、2年9ヶ月の時間を経て、吸い寄せる対象を一定以上の高度に限定した独自魔法の開発に成功した。そうして出来た魔法を彼ら研究員達は各国家の共同研究者達に共有。国の四方八方で同時に発動することによって、雨天を晴天へと導いた。

写真はマーティン所長が雲を散らすことの成功に歓喜を表してガッツポーズを決めたところである。マーティン所長は「既存の概念をなぞり、壊し、創り出す。この過程でどれだけの時間を創り出すことに費やしたことか。これまで創造してきた先人達の気持ちがよくわかった。こんなにも晴れやかな気分なことはない」と述べた。その晴れ晴れしさが筆者達にも伝わってきた。

第三回魔法大会、開催

6月18日、レーヴァ国主催の第3回魔法大会が同国の特設会場にて開催された。39年ぶりの大会に、国内外問わず多くのファンが盛り上がりを見せている。

今年の競技は、模擬魔法戦、模擬海戦、剣闘の3種。

全ての競技において、観戦席のチケットが売り切れるほどの人気だが、中でも剣闘は人気が飛び抜けて高い。チケットは販売開始から一夜にして完売したにもかかわらず、選手の姿を一目見ようと会場前に列を作るファンも多く見受けられるほどだった。

剣闘は、一切の魔法の使用を禁じた上で、木剣で頭と腕と胴の部分を打突し、5ポイントを先取した方が勝ちとなる。

昔は見る影すらなかった剣闘だが、昨今では全世界に水晶式中継でライブ配信されるまでに一般化が進み、若者の杖離れの理由として取り上げられるほど、若年層の人気を獲得した。

このような経緯の影には、スター選手を多く排出したオルディア国と、トスリック魔法王国が関係していると専門家は言う。

オルディア国チームに所属するべラム氏は選手宣誓後のインタビューで「自分のチームが注目されるのは嬉しい」と、語った。