事件・事故

幻術木天寥(トリップ・シルヴァイン)で 初の逮捕者

幻術木天寥で、初の逮捕者が出た。逮捕されたのは、ネコ科亜人種・ケットシー族の150歳の男。

警察の調べによると、男は「普通の木天蓼では酔うことができなくなり、手を出してしまった」と供述。家宅捜査の結果、男の自宅から自分で使用すると見られる「幻術木天寥」の他、売買用とみられる2キロ近い「乾燥幻術木天寥」を発見したことから、組織的犯罪も視野に入れ慎重に捜査を進めていくと発表した。

幻術木天寥はその名の通り、使用をすると強い幻覚症状や多幸感を得る麻薬の一種。使用後は深い酩酊状態に陥り、依存性が強い。1回の使用で死に至ることもあるため、国際魔法警察連盟が世界的に使用が禁止していることで知られる。近年では通常の木天寥と偽り販売をする手口等も出てきており、警察は木天蓼を購入する際には販売免許を取得している店舗で購入するよう呼びかけている。

※幻術木天寥とは※
主にネコ科亜人種のみに効くとされている、近年新たに開発された違法合成麻薬である。通常の木天蓼に幻術魔法、催眠魔法を長期間かけ、生成される。
使用方法としては、乾燥させたものを砕いて粉末状態にして燻し吸引をする方法が一般的であるが、近年では酒に漬けこみ飲酒する方法も報告があがっている。
依存性は木天蓼の数千倍とも言われており、1度使用すれば幻術木天寥なしでは生活不可能とされる。100年前から劇薬として使用が禁止されている。
なお、木天蓼においては免許があれば販売可能な嗜好品である。

サハギン長老 静電気で重体

21日未明、ネトル県カモマイル市に住んでいるサハギン長老ヤヴィ・コルテさん(69)が、静電気によるショックで重体に陥り緊急搬送された。

近所の住民によると、コルテさんの家に塩を届けに行ったところ応答がなかった。鍵が開いていたので中に入ると、普段は設置されていない金属製のドアノブの前でえら呼吸の停止したコルテさんを発見し、魔法局救急科に緊急連絡を取ったとのことである。

コルテさんは魚人族専門病院に搬送され、治療を受けている。依然として意識不明の状態が続いており、サハギン族には動揺が広がっている。

捜査当局は、隣に住む電気ネズミ族の男が事情を知っているとみて任意同行を求める方針である。

電気ネズミ族の男とコルテさんの間ではトラブルが絶えなかったとの情報もあり、当局は現在行方が分からなくなっている電気ネズミ族の男を追っている。

住宅街で火災、原因は発火ネズミ

4月10日、ロズラス国ヒリシニユ市の住宅街で住宅一棟が焼け、そこに住む家族4人が死亡する事件が起こった。災害対策局火災部の話によると、今回の出火の原因は発火ネズミの死骸ということだ。

都市環境を研究するロールローレンツ卿は「一昔前はネズミ殺し用のハーブ薬の効果が薄く、発火ネズミ対策に火喰い鳥を飼うことが一般的だった。しかし近年、薬の調合の変化により効果が高まったことで、世話が大変で費用もかかる火喰い鳥より、薬を採用する家庭が増えてきた。発火ネズミは生体よりも死体の方が出火しやすく、今後このような事件が頻発する可能性が非常に高い」と分析した。

ただ、今回の事件は住宅にかけられていた防火魔法の劣化も大きな要因となっており、災害対策局火災部は防火魔法の点検とMサイズ以上の水吐草の導入を呼びかけている。

モンスターの卵、盗難相次ぐ

辺境の村、ソルバのワイバーン人工ふ化施設などで、ワイバーン計56匹の卵が持ち去られていることが、先月分かった。村内では同様の手口でキマイラの卵も盗まれている。関係者は、錬金術で使用するモンスターの卵の需要が高くなったことで卵に希少価値が出たことが背景にあるとみて、警戒を強めている。

王都ワイバーン増殖事業協会(王都ウィザナザレ)によると、管理しているソルバのふ化施設で25日朝、職員が飼育場近くのワイバーンが暴れているのを見つけた。原因を調べると卵が持ち去られていた。持ち去られた卵は56個、その内数個は、王都の飛龍隊に送られるはずの卵だった。

ソルバの西地区でも9日、キマイラ25匹の卵が盗まれていたという。いずれも職員不在の間に何者かが侵入したとみられ、協会は犯人を探し出すために、王都飛龍隊と冒険者に依頼を出すことを検討している。

星屑祭にファイオン襲来、三万人以上が死傷

1月31日、火を操る大型の獣ファイオンがバーデン国のイグルボナ市を襲撃し、三万人以上が死傷、約一万七千戸が全焼した。

ファイオンとは翼の生えた火を操る大型の獣であり、その火力は大規模魔法にも劣らないとされている。本来は砂漠のような場所を好み、滅多に人里には現れない。ウロル国立メルカヒルド大学幻獣学部の教授であるマルヒトッヒ・フリードリヒ氏は「今回の襲撃は昨今急速に広まった砂漠緑化活動により、住処を奪われたと感じたファイオンが報復措置を行なったのではないか」と分析する。

襲撃時、イグルボナ市は毎年1月31日に行われる星屑祭の真っ最中であり、多くの人が訪れていた。治安維持局、災害対策局の話によると、突如として現れたファイオンが街を焼き始め、パニックを起こした人々が街に溢れかえった結果二次災害が起こり、被害が拡大したとのことだ。

現在、元凶であるファイオンは捕獲され、この事件は解決されたが、治安維持局巨獣対策課に所属するバヤルド・グリーデマン氏、ロッド・スキマーニ氏の2名と災害対策局火災部に所属するホーネット・ヤードラ氏の計3名が殉職した。また、バーデン国は犠牲になった人々の慰霊祭を2月12日に執り行う予定だ。

なお、国際環境保護連盟は今回の件を受けて、砂漠緑化活動団体を認可制にする為の審議とともに、地球環境保護政策の抜本的な見直しを行なっている。

フライラグ社製の空飛ぶ絨毯、またも暴走か

4月20日、バーデン国シルビータルト市に住むパルスティン・ヒートルノ氏が所有するフライラグ社製の空飛ぶ絨毯(商品名:ラグK-30)が突如暴れ出し、ヒートルノ氏を振り落として飛び去った。

ヒートルノ氏は高さ300M付近から落下したが、近くを飛んでいたラギンレード・ビビビルフ氏に拾われ、怪我はなかった。

ビビビルフ氏は「最初人が落ちていくのが見えた時はビックリしたよ! でも、毎年ハウザルの方に女の子を受け止めにいっていたおかげで拾うことが出来たんだ! 何はともあれよかったよ! 人が潰れるとこなんてみたくないからね!!」と語った。

今回は大事にいたらなかったが、ここ数日、シルビータルト市では同様の事件が頻発しており、死亡者もでている。

これについては、レーヴァ国立ホルユキープ大学魔法学部飛行術式学科のヒルデカーヌ・ポツマオリ教授が「フライラグ社のラグK-30はその魔術式の構造上、設定された目的地まで行くことしかできず、速度や動きも設定されている。

製品の欠陥というよりは、何者かが飛行を妨害しているのではないか」と分析する一方で、同大学の魔法歴史学部のマヤジデ・バイゼ教授は「空飛ぶ絨毯について言えば、魔術式が意図しない結果を生んでしまった例が沢山ある。

今回の件については、第三者による徹底した魔術式の調査が必要だ」と主張しており、未だ原因ははっきりしていない。

なお、フライラグ社はラグK-30に欠陥の可能性があるとして、販売を中止、全品回収すると発表した。治安維持局はフライラグ社の過失と何者かによる犯行の二つを視野に捜査を開始するとしている。

数百人が『心無き者』へ アストラル界の調査を開始

昨日午後、イソル国・テルナッド州で「知人が心無き者に成り果てている」と数百件もの通報が警察署に押し寄せた。

この事件について、警察署は同時期に起きたアストラル体の集団消滅事件が起因していると断定。冒険者ギルドとの協力体制を掲げ、アストラル界にて多数のアストラル体を消滅させた犯人の捜索活動を続けている。

しかし、捜査に協力するはずの冒険者たちはあまり協力的ではなさそうだ。

「俺らは聖人でもなければ賢者でもねぇ、荒くれ稼業の野蛮人だ。だがな、捨て駒みてぇに扱われて『はいはいわかりました』とホイホイついていくような馬鹿じゃあねぇ」

「アストラル体が失くなったら心も失うって? 嫌だねぇ……」

「サツと協力? そんなら俺ぁ便所で飯でも食っとくか」

「マッポと動くとタマに足が生えやがんだ。歩いてどっか行くって言うんだぜ? 俺は俺のもんなのによ」

非協力的な姿勢の背景にあるのは、やはり扱いの悪さだろうか? 一部冒険者によると、冒険者を前線に置き警察は後方から指示を出すのみであるという。

そうした扱いが冒険者たちに不満を抱かせるのは至極当然だ。

警察は協力を要請した側だというのになにをしているのか。
──コメンテーター、ヴィギル氏

心無き者について、専門家は以下のようにも述べる。

「心無き者になると生存に必要な食事・排泄以外のことを行えなくなり、食事の用意などには必ず介護人の助けが必要となる。身近な人が心無き者となった場合、心の身体であるアストラル体の回復を待ち、被害者の介護に努めていただきたい」

警察署も、単身世帯の被害者に関しては餓死に至るおそれがあると考え、犯人の捜索とは別に単身世帯の家々を訪問して回っていると発表。身近に一人暮らしをしている人がいる場合には、何らかの手段で確認を取っていただきたい。

「強キャラに憧れた」魔力の威嚇放出をした男を書類送検

英雄に憧れたものの、それを履き違えた哀れな事件が起きた。

昨日未明、エヴァ・ステイト公国にて、魔法犯罪取締局がクダル・S・マーキス(37歳無職)を魔力の過剰威嚇発散及び魔道恐喝の容疑で書類送検した。

容疑者は老人、子供による利用が多い公国中央公園の広場にて、不特定多数の人間に対して意図的に威嚇の意思を持った魔力放出を行い、魔力への抵抗の少ない幼児数名が体調不良を訴えた。その事実を知った容疑者は直後に放出を停止し、魔法犯罪取締局に自ら出頭、全面的に自分の罪を告白し認めたという。

局の取り調べに対し容疑者は、

「オーラの滲み出る強キャラに憧れた。周りにいつも馬鹿にされていたので強い方に回ってみたかった。小さな子供が体調を崩したのを見てこんなことをしてはいけないと思った。とても反省している。止めてくれたおじいさんに感謝したい」

と述べており、現在感謝状を渡すべく局がこの老人を捜索しているが、見つかっていない。

容疑者の証言によると、老人はよく整えられた銀髪にスーツ、片目には縦一文字の傷が入っており、全てを見通すような優しくも鋭い眼差しをしていたという。

呪いの藁人形を現世に密輸 関係者を逮捕

黄泉の国警察現世外交取締局は先日、呪いの藁人形を現世に大量密輸したとして、黄泉の国呪術工場代表取締役の自称呪術師「祟」を現世輸出法違反の容疑で逮捕しました。

当局の発表によると、呪術工場では呪いの藁人形以外にも多数の指定呪術品を密輸した疑いもあり、余罪を追及中との事です。

調べに対し祟氏は「現世、とりわけ日本では呪いの藁人形のような呪術品は高値で取引されている。金欲しさに密輸した」と容疑を認めています。

この事件を受けて現世外交取締局は、このような呪術品の流出は、現世における黄泉の国のイメージダウンに繋がるとして、 今後取り締まりを強化していく方針を発表しました。

なお今回流出した多数の呪術品は、黄泉の国警察日本支部が回収をしております。 怪しい呪術品を見かけた魔術師は黄泉の国警察までご連絡ください。

軽量杖による魔法暴発が多発

大手杖メーカーのオーク社が昨年末販売を開始した「汎用型軽量杖」による魔法暴発事故が多発している。

通常の杖は職人が使用者に合う杖を1本ずつ選び販売しているが、サイズが26cm〜と少々持ち歩くには長いため、近場への外出時に不便だという声があがっていた。

今回問題となっているオーク社の軽量杖は一律13cmとなっており、気軽に持ち歩ける杖として販売開始前から話題となっていたもの。そんな軽量杖による魔法の暴発の9割は、手軽さ故にホルダーを使用せず裸のままポケット等に入れ持ち歩く人たちによるものだという。

先日起きたバスターミナルで学生のカバンが急に凍結した事件や、中央銀行で起きた連続発火事件も、裸のまま持ち歩かれていた軽量杖によるものだったとの発表があった。

この一連の騒ぎを受け、オーク社と魔法協会は、軽量杖に限らず杖を持ち歩く際には裸のままポケット等に入れないで、きちんと専用ホルダーを使用するよう呼びかけている。