コラム

コラム:古代呪文を読み解く【第2回】ディスイズアペン

あなたは初めて異国の言葉に触れたときのことを覚えているだろうか。

綴られた見たこともない文字。知らない概念を表現する言葉。聴いたことのない音。それらが形成する言葉の意味を知るときの、あの高揚感。未知のモノを理解するときの喜びと、ほんのちょっぴりの恐怖。胸の中で妖精たちがダンスパーティーをしているかのようなざわめきが訪れる。

ここ何十年かで研究も進み、自動翻訳呪文の魔法陣や魔具が流通し始めた。巻物や書物をがさごそ漁り、分からない異国語を調べながら記していく、という作業は少なくなった。私自身もその恩恵を存分に受け、この記事を書いている。

しかし、自動翻訳呪文がなかった時代。古代の魔術師たちは、異国語を覚えるときはどうしていたのだろうか?その様子が伺える書物を先日入手できたので、内容から少しだけご紹介しよう。

遥か昔、実は彼らも異国の文字を前にし、まずは呪文を唱えたのだ。「ディスイズアペン」、と。

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記事更新ができなかった理由について―夢見より―

MahoONLINE記者、夢見和です。この度の記事更新が滞っていた理由と、これからについての報告をさせていただきます。

それよりもまず、記事が更新できなかったこと、大変申し訳ございませんでした。

1年前、私の身に起きたこと

異世界への(強制)取材旅行。

私が記事を更新できなかった理由は、簡潔に言えばこれです。

この世界の時間軸からすれば、丁度1年前。私はとある魔法大学でこれまたとある教授の手伝い兼、記者として過ごしていました。卒業を控える年になったことで、教授からの卒業研究は異世界での取材だと告げられました。

満足な装備もなく、長期間空けてしまうという連絡も報告も誰にもできないまま、言われた直後には教授によって作られた異世界門をくぐっていました。

それが、予期せず起きた3年に及ぶ異世界旅人兼記者としての生活のスタートでした。

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夏旅行にオススメ!「水鏡の都アスケーナ」

茹だるような暑い夏、湿気でジメジメする地下室、氷魔法が手放せない……。あまりの暑さでスライムのように溶けてしまう前に、涼しさを求めて旅行へ行くのはいかがだろうか?

旅行雑誌トラベルピジョンの「今年の夏オススメしたい旅行スポット」にも選ばれた「水鏡の都 アスケーナ」
オークツ湖の水中に存在する都市で、今年で成立400年の節目の年を迎えた歴史ある都だ。
今回はそのアスケーナで一押しのスポットやイベントを3つ紹介しよう。

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言語統一で詠唱簡易化 無詠唱へ向けた研究進む

「詠唱が長い!」
「300語もの言語を一切噛まずに発声しろだなどとやっていられるか!」
「こんな複雑な魔法陣覚えられるか!」

魔法、あるいは魔術を学ぶ学生は嘆いている。もっと簡単な動作で、最高のパフォーマンスを発揮する魔術が欲しいと。

その叫びは痛いほど分かる。詠唱一つとっても様々な魔術言語が存在し、網羅しようとすれば分厚い辞書を片手に歩くハメになる。もちろん公式試合で辞書の持ち込みは不可能だし、戦場に立てばなおさらだ。

戦場のど真ん中で辞書を開きながら詠唱してごらんなさい。その間に弓で射られて死ぬから。

冗談はさておいて、この問題は古くから論じられていることだ。そして未だに最適解が見えてこない課題である。

一般的に魔術や魔法は、より強力な効果を求めれば求めるほど詠唱式、魔法陣、触媒などが複雑化、かつ肥大化していく傾向にある。逆を言えば、シンプルなものばかりでは、汎用的な効果しか発現しない。

確認されている限り、世界で最も複雑とされる魔術は以下の内容で構成されている。

〇炎を起こす魔術
1:詠唱において、「単語単位で9000語」使用。
2:魔法陣の大きさは、10,000平方メートル
3:使用した触媒の数は237個。総重量は533kg。

さて、こんなものが実用的かと問われれば答えは一つだ。「ノー」。

どんなに卓越した天才であっても、必ずどこかに綻びが生じ、術式がすべて破綻する。詠唱している途中にくしゃみをすればすべて吹き飛ぶし、魔法陣の微妙なズレが重なった結果、まったく違うものになることだってありえる。触媒の用意だって一苦労だし、コストパフォーマンスは最悪極まりない。

しかし、無理に短縮しようとしてどこかの工程を省いてしまうと、効果が発生しなくなってしまう上、予期せぬ事態が発生することもありうるのだ。

しかし、我々は夢を諦めない。

「火!」

と言って火を起こしたい。

「食い物!」

と言って豪華な料理を生み出したい!

現在、ナハーヘム市のディニーカリア大学詠唱学科では、「意味のある架空言語を創り出して、既存の言語の統合を行うことにより、詠唱の長さを縮める」という研究が行われている。現在は1/2が限界であるが、今後研究が進めば1/10にまで縮めることも不可能ではないようだ。

いつかは、指を振るだけで超常現象を発生させるグリモアも開発されるだろう。そうすれば、子供であっても簡単に魔術を扱うことができる時代がやってくる。

この研究が成功し、実用化されたならば魔法文明は飛躍的な進歩を遂げる。

長い詠唱、複雑な魔術式。それらが偉いなどというものは古典的な考えになってしまう日も遠くはない。

【心の闇診断】貴方の心は何色ですか? 心の闇でわかる、魔法属性と職業適性

こんにちは。メンタル魔法士のパスタ・スヴァミソーニです。

皆さんもご存知のように、心と魔法には密接な関係があります。

中でも、心の闇──我々が隠し持っている密かな欲望、変えがたい性質、自ら背負う罪──は、魔法の属性に影響する重要なファクターとして知られていますね。

もちろん、心に闇を抱えているからといって、すべての魔法使いが闇属性の使い手になれる訳ではありません。心の闇には、それぞれに“色”があるのです。

そこで今回は、魔法使いの皆さんが抱く心の闇、その“色”を映し出すテストを用意しました。

▽診断はこちらから
心の闇で分かる魔法適性
心の闇でわかる魔法適性 (外部サイトが開きます)

テストは簡単なものですが、ぜひ試してみてください。適性のある属性や、向いている職業がわかるかもしれません。

詳しい解説は以下からご覧になれます。これから魔法学校を目指すお子さんや、将来に悩む学生さんにもおすすめです。

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グリフォンとヒポグリフの違いについて

非常にポピュラーでよく知られている魔法生物、「グリフォン」と「ヒポグリフ」。

基本的な種だからこそ、覚え間違えてしまう魔法使いも多いのではないだろうか。

今回は、混同して考えてしまいがちなグリフォンとヒポグリフの違いについてまとめていこうと思う。

グリフォンの特徴

グリフォンは、鷲の上半身に鷲の翼、獅子の下半身を持つ魔法生物だ。鷲の部分は金色で、獅子の部分は白色をしている。語源はギリシア語の「グリュプス」(γρυψ)から。これは「曲がった嘴」を意味している。

鳥の王である鷲、獣の王である獅子の両方の特徴を持つことから、王家の紋章に使われることが多い。

高山に生息し、巣に大量の財宝を蓄え守護している。今までにも、それを奪おうとした賊がグリフォンの爪で引き裂かれ大怪我を負ったり、最悪の場合死に至ったりする事件が相次いでいる。

このことから分かる通り、性格は非常に獰猛であり騎乗は困難である。

グリフォンは神々の車をひく役目を持っており、馬や牛とはライバル関係にある。グリフォンはその鋭い鉤爪を使い、馬や牛を喰らうという性質を持つ。そのため、馬と掛け合わせることは不可能であると考えられてきた。

ヒポグリフの特徴

ヒポグリフはグリフォンと雌馬の間に生まれた魔法生物である。今まで不可能とされてきたが、何者にも例外はある。200年程前、魔法生物学者として名高いダーモアード・テイルサーンが見事交配に成功した。

上半身が鷲であることは変わらないが、下半身は馬という特徴を持っている。名前の「ヒポ」(hippo)は馬という意味、「グリフ」(griff)はグリフォンを表している。

グリフォンと同じ食性で、馬や人間を喰う。しかし性格はグリフォンほど獰猛ではなく、騎乗が可能だ。フランスの英雄であるアストルフォなどは、ヒポグリフに乗って月まで行くという逸話を持っている。

まとめ

以上のことから、騎乗や飼育はグリフォンではなくヒポグリフがオススメだ。

しかし、倉庫番としてグリフォンを置いておけばあなたの財宝が盗まれることはまずないだろう。

時と場合、そして自分の技量によって手懐ける種を変更するべきなのは、他の魔法生物と変わりない。

減らない魔法薬被害(1) ネット販売で増える“効能詐欺”

近年身近な物になった魔法薬。

昔は専門の魔女(メイガス)がひっそりと作っていたが、今は魔法省が定めた法に従えば誰でも製作することができる。しかし、それ故に魔法薬販売における詐欺事件は増え続けている。

今回は、いまだ減る気配のない悪質な魔法薬販売の手法について書かせていただく。

使うまで効果が分からない…効能詐欺の仕組み

先日、ある魔法使い見習いが魔力強壮効果のある魔法薬(一般にエーテル等と呼ばれるもの)を購入したが、効果が得られないどころか、吐き気等の体調不良を訴える事例があった。

ウィザードタイムズの取材によれば、彼はその魔法薬をインターネットで購入したという。現在、魔法薬のネット販売についての特別な許可は法的には必要ない。しかし、ここに落とし穴があるのだ。

魔法薬というのは、基本的に効能を保証されるものではない。個人の体質や種族等によって調合を変えなければ、適正な効果は得られない。

ネット上で販売されている魔法薬は出来合いのもので、個人向けの調整等は一切されていない。それどころか、魔法薬学的にも効能を証明されていない悪質な素材調合がなされたものさえ存在する。

有り体に言ってしまえば、全く効能がないものを魔法薬として販売することさえ可能だ。そういった悪質な販売業者を摘発する法律は残念ながらまだなく、個人単位で警戒する以外の対処法はない。

街の魔法薬専門店が少々高価なのは、客ごとに魔法薬の調合を変えているからだ。便利になっていく世の中ではあるが、自分の体に使用するものくらいは、しっかりと安全を確保したいものである。

魔法薬に関する当コラム。次回は、「販売・譲渡に専門資格が必要となる薬草を用いた魔法薬を巡るトラブル」を取りあげる予定だ。

ひらりと揺れる光のカーテン オーロラシャリー

ひらりと揺れる光のカーテン オーロラシャリー

唱える魔法はひとつだけ、“ワンスペリング・クッキング”のコーナーです。

今回紹介するのは暑い夏にぴったり、シャーベットとゼリーの2つの食感が楽しめる“オーロラシャリー”です。

以下のものをご準備ください。

用意する材料

(今回作る大きさ:人間種3人分、プリンカップ適量)

  • お好みのジュースやフルーツ
    ※今回は下記のジュースとフルーツを用意しました。

    • 【a】
      バブルグレープジュース 200cc
      ブライトアップルジュース 200cc
    • 【b】
      キュートベリージュース 200cc
      天星樹のミルク 200cc
    • 【c】
      ・メルティーマンゴージュース 200cc
      ・トパーズレモンジュース 200cc

【a】~【c】それぞれに対し、

  • 星屑スターチ 2.5g
  • アトモスフィアパウダー 5g
    ※高度500km圏のものを生成したもの。なければ高度300kmでも代用可能です。
    (ただしジュースの色によってはうまく反映されない可能性があります。)
  • フレアエッセンス 数滴
  • 天空花の蜜 10g

※完成品を増やしたいときは倍にして作ってくださいね。

 

手順

  1. 各ジュースの分量の内、50ccを取り、星屑スターチをふやかす。
  2. 残りのバブルグレープジュースを沸騰させないように温め、「1.」のゼラチンを入れてとかす。ブライトアップルジュースも同様に準備する。
  3. ゼリー液の粗熱がとれたら、カップ半分まで入れる。冷却魔法で半凍結になるまで冷やし固める。
  4. 最初に入れたゼリー液とは別の液を入れる。冷却魔法で、-100度になるまで冷やし固める。
  5. 完成。食べる時まで冷却魔法庫で保存する。

※【b】~【c】についても①~④の手順で作成する。

 

☆今回のポイント☆

  • ゼリー液は1種でまとめてOKですが、グラデーションを作成した方が食べる際に楽しめます。
  • 冷却魔法を使用することにより、極限まで冷やし固めることができます。

食べ方

※食べる時間の指定はありませんが、室内を暗くしてください。

  1. 好きなシャーベットを皿の上にあけます。
    カップから取り出す際、温熱魔法で少しカップを
    温めると取り出しやすくなります。
  2. 室内の照明を出来る限り暗くします。
  3. 温熱魔法で皿を少しずつ温めて行きます。
  4. 皿からの伝導熱により少しずつシャーベットが溶け始めます、その際にシャーベットからオーロラが出始めるので、オーロラがカーテン状に落ち着いたら熱を加えるのを止めましょう。
  5. オーロラはおよそ1時間程楽しめます。
    ※オーロラのカラーは使用したゼリー液のカラーを反映します。
  6. 好きなタイミングで食べましょう。

 

★食べる際のポイント★

  • 取り出してすぐ~オーロラが出始めたころはシャーベットとして、オーロラの放出後はゼリーとして楽しめます。好みの解凍具合を見つけてお楽しみください。
  • 暑いと出かける気持ちも削がれますよね。そんな日は冷たいスイーツとともに、自宅で夜空の天体ショーを楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

next→伝えたい思いはひっそりと包んで、
スペリングボンボン』をご紹介します。

気まぐれ魔導書レビュー(暑さがつらい人へ)

瑞々です!

暦も変わり、そろそろ本格的に気温も上がってきましたね!

特に寒暖差の激しい地方や、湿気のある海沿いに住んでる人はたまらない暑さだと思います。

今年はレイラインの影響が特に強いのか、あちこちに高温警報が出されてるみたいですね、

自分はハウザルの北の方に実家があるんですけど、この時期は本当に地獄のような暑さ。

同じハウザルでも、女の子降りとかで有名な南の方とは違って、北の方は気候の変わり具合が普通のヒト族にはちょっとやばいレベルです。

だって、一番寒い時期には平屋の家が埋まっちゃうぐらい雪が積もるんですよ?

なのに、この時期は暑いこと暑いこと…透明化魔法をかけて全裸になる人が続出。

あと、湿度も結構あるので、虫が出るんです。

自分たちのところでは「モスキー」って呼んでるんですけど、体力と魔力を、花の蜜を吸うがごとく吸っていくんですよ。

ちょっとの外出でも、魔除けの魔法をかけるのが必須になってます。

大学に入ってから、今のアパートに一人暮らしで、そこまでひどいことにはなってないですけど、やっぱ暑いですね。

自分のところは安アパートでEAConとかついてないし(あと大家さんが危険だから嫌だという)、とりあえずカーテンを濡らして、風魔法で冷気を入れて乗り切ってます。

一応氷魔法も学校で習ってはきましたけど、かなり体力使うので、極力使いたくないんですよね。

あと制御が難しい。(割と魔法の実技が上手い知り合いでも、部屋全体を凍らせて凍死しかけたことがあったり)

そろそろコスパの良い冷却魔法を真面目に習得しようか…

だいぶ話が逸れましたが、こういう季節を乗り切るための魔導書もちゃんとあります。

そもそも、魔導書にも季節ごとの流行みたいなものがあったりします。

今みたいな暑い時期は、やっぱり氷魔法、冷却系のものを解説した魔導書が多く出版されてますね。(寒い時期は逆に、熱系や炎系の魔導書が)

記念日が近くなると、おもてなし用の料理に役立つ魔導書とか、デートに使える魔導書とか(リア充め)

そんなわけで今回は、この時期にぴったりの魔導書を一つ。

『永久凍土帝国から学ぶ氷魔法』

…今年春に出た魔導書ですが、この時期になって、涼しさを求める人たちによって急速に話題になっています。

永久凍土帝国とは、ニブルヘイムやアナスタシアなど、いわゆる氷の都市と呼ばれる大陸最北部の一帯。

よく避暑地だと言われることが多いですが、確かに涼しいといえばそうですけど、突然雹が降ってくるようなところですからね…行ったことないんですけど。

そんなところですから、当然氷や雪に関する魔法の研究がとても盛んです。

例えば水魔法と氷魔法との関連性とかがわかりやすい内容だと思います。

この本には、そのような研究がまとめられていて、初歩的な水魔法から氷魔法につなげる方法や、単純な魔法からステップアップしていく様がよくわかります。

直接氷魔法を身に付けるのは難しいので、誰でもわかるような水魔法の初歩的なものから関連させてマスターしていこうという趣旨です。

こうやって書かれた魔導書、意外と少ないんですね。

同系統の魔法の中で簡単なものからステップアップしていくのは割とよくあるのですが、別系統の内容とリンクさせたものってあまりない。

今の魔法研究はあまりに細分化されてて、例えば同じ風魔法の研究者同士でも、互いに相手の研究内容がよく分からないなんてことが結構あります。魔法研究者全体の課題になっていることなのですが、大学で研究に打ち込む方々を見ていると、なんとなく仕方ないのかなってことも。

そこを幅広くカバーしていくというのは、魔法教育の持つ難しさだったりします。魔導書もまたしかり。

専門家向けの魔導書はかなり細かく分類されていて、それこそ何百ページもする魔導書がたった一つの魔法現象を説明するものだったということは往々にしてあります。もちろん全く日常生活で実用するようなものではないですが、それでもコンパクトにまとまったものがないことは研究者にとっては大きな問題でもあります。

そんなものは、少なくともここで紹介することはないのですが。

ただ、魔導書の書き手の大多数は、そういう研究者、専門家だったりします。

またしても話が逸れてましたが、今日はこの辺で。

いつかEAConが完全普及することに期待しながら(だってその方が楽だもの)、氷魔法マスターを目指して頑張ろうと思います。

ポーション・スクロール 活用のすゝめ

昨年9月に行われた、魔法薬処方並びに医療魔法施術費改正に伴い、ポーション・スクロール(以下PS)を持参した場合に値引きがされるようになったのをご存知だろうか。

調合局利用者に訪ねたところ、知っているという方は4割程度に留まった。また、PS自体を所持していない方も多数いるようで、主人の代理として調合局に来た使い魔にも話が伝わっていないという様子だった。

未だ認知度が低いPSがどういったものなのか、説明していこう。

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