社会

大人気SNS、《炎上》騒動で一時利用停止

SNS「Mapitter」の運営は先日、《炎上》騒ぎにより同SNSの一時利用停止を発表した。

Mapitterのアカウント登録者数は現時点でのべ3億人以上。国籍や種族を超えた交流が気軽にできるとして、10代~20代(ヒューマン基準)の若者に人気のSNSである。

2年前のリリース以来、勢いを増しているMapitterが一時利用停止にまで追い込まれる事態となった原因、それはMapitterのシステムがハッキングされ、特定の条件下で発動する火炎魔法の術式を仕込まれたことにある。

これにより、Mapitterの中から「攻撃的、差別的な内容を含む」「1万アカウント以上に拡散されている」等の条件を満たす投稿を無差別に選び出し、その投稿主が使用しているデバイスが突然発火する事件が相次いだ。

運営代表は「事件の原因はハッキングされる脆弱なセキュリティシステムによるところも大きい。必ず犯人を見つけ出し、術式を解除すると共にセキュリティの強化にも力を入れるまぴ」(原文ママ)と沈痛な面持ちで語った。現時点での再開時期は未定。

同時に現在のMapitterでは数日前から「炎上なんてする愚かな奴は実際に体に火でもつけてやればいい」「頭を冷やしてダメなら燃やして灰にするしかない」等の投稿が見られ、皮肉なことにこれらの投稿も炎上している。おそらく投稿主自身のデバイスが発火する事となるだろう。

 

答えは“無”だった!「あの論争」ついに解決

賢明なる読者の皆様の中にはこの見出しでお気付きになった人もいるだろう。獣の月第7夜の今日「あの問題」がついに解決したのである。そう、重力魔法は土魔法なのか闇魔法なのか、である。

この問題は200年前、魔法界きっての奇人と呼ばれたツヴァイトアイゼン氏が重力魔法を発見したことに端を発する。新魔法実験の過程で重量の増加、果てには光すらも捻じ曲げる謎の力場が発生したのである。これを受け、中央魔法協会は暫定的に光のような非物質にも「重さ」という「力」を与える魔法として「重力魔法」という呼称を定めた。

そして、当時の実験の結果、土・闇のどちらかを基礎としたものであると一応の決定がなされた。魔法が用途による分類のほか、属性による分類が存在するのは言うまでもないが、今回はここに問題が発生した。

この重力魔法は他の魔法との親和性があまりにも高すぎたのである。これを受けて、土、闇の各魔法団体は、重力魔法が自分たちの固有のものであるとそれぞれが主張を始め、「闇なんていう根暗は家でカーテン締め切って寝てろ」「そんなに土いじりが好きなら畑でも耕せばいいだろ」などと議論に関係のない中傷まで叫ばれた。混乱を鎮めるため、ツヴァイトアイゼン氏に聞こうにも氏はこの時すでに魔法実験の失敗により没してしまっている。故に、この問題が今日まで残ってしまったままになっている。

果たして、この問題はいかにして解決されたのか? 理屈は簡単である。中央魔法協会第四支部魔導解析課、通称「智慧の司書」がこの魔法の理論解析に成功し、効果は低いながらも「確認しうる全ての属性」の魔導師が行使に成功してしまったのである。もはや問題は、土魔法なのか闇魔法なのかというところにはない。この結果を受け、中央は見解を変更。この重力魔法を含め、今後同様のイレギュラーが発生したときに備え、新たに「無属性」の魔法を制定したのである。

こうして200年わたる魔導論争が1つ決着を迎えたが、どちらに転ぶかを楽しみにしていた者にとっては、砂利を噛んだような、暗がりに放置されたようないささか味気の「無」い結論を迎えてしまったことは確かだろう。

魔法使用世界規約~攻撃魔法・対人編~

初めまして。第一回魔法使用規約についての記事です。

日々魔法について理解を深める親愛なる同志さん方はご存知であろうこの規約。

しかし昨今は魔法を私闘で使用する無法者がでてくる始末……。

対人使用に対してのハードルが低くなっている今、ぜひ今回この機会に「人に対する」魔法の使用について振り返ってみたいと思います。

 

そもそも魔法使用世界規約とは?

魔法が発達してはや1,000年以上。人間が生まれながらにして持っている魔法は、生活のレベルを高め続けてきました。

更には野生動物や魔獣といった人にとって脅威になるものから身を守る自衛のためとしての魔法も生み出されてきました。

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多数の学生が不審精に声掛けられる

本日、オルフェ国立魔法学校の第2指定通学路で、多数の魔法学校生が精霊に契約を持ちかけられる事案が発生しました。

精霊は自身を『月下の黒樹』と名乗っており、緑色のオーラを放ちながら宙に浮いていたとのことです。

幸い、契約を断られると、光の粒子と化し霧散したため学生に怪我等はありませんでしたが、近隣の地域に用がある際には、十分に注意して下さい。

“エルフの森離れ” ここ十年で増加のワケは

森に生まれ、森に暮らし、森と共に生きていく――そんなエルフ族の典型的な生活観は、もはやステレオタイプとなりつつあるのかもしれない。

エルフ情報専門メディア『アルフヘイム』の調査によると、故郷の森から外部の村・街へと移住したエルフ族の人数は、ここ十年にわたって増加の傾向にあるという。特に、二十代から八十代にかけて幅広い年齢の若者が”森離れ”を始めている。

「閉鎖的な生き方そのものが、今の世界には向いていないんだと思います」

数週間前に森を離れたばかりのEさんは、故郷の生活を客観的に振り返る。

「エルフは温厚で、他種族との共存にも好意的。ですが、排他的な面があることも事実。良くも悪くもプライドの高い人が多いので……」とEさん。森での生活は満ち足りていた一方、言いようのない閉塞感も感じていたと語る。

「伝承を重んじる人が多いんです。数百歳とか、高齢の方は特に。先祖代々、森で生きてきた人にとって、あそこでの暮らしは使命に近い感覚があるんですね。でも私は、将来的にはその価値観を変化させる必要があると思っていて。反抗と言うと幼稚ですけど……離れることで、見えてくる姿もあるのかなと」

話しながら、たびたび苦笑を見せるEさん。街での暮らしにはまだ不慣れな点も多いが、「ひとつずつ身につけていきたい」と意欲を見せていた。

近年、エルフ族に限らず、他の種族にも同様の現象が見られつつある。昨年には北方竜人族の火山からの大移動も話題となり、世間を大いに騒がせた。時代の転換期は着々と近づいている――我々はどのように対応を進めていくべきだろうか。

EACon(エアコン)問題から見る魔術の行く末

魔術の発展により、我々の生活から闇は遠ざかった。冬でも凍えることなく、飢饉は過去のものとなった。国民の死亡率は格段に減り、子供は二ケタを超えるまで生きられるようになった。これは偉大な進歩であり、神話に謳われる理想郷にこれほど近付いたのは我々が初めてだろう。

しかし問題はまだある。生活が豊かになりものが溢れれば必然的に新たな課題が持ち上がる。より深刻なモノと言えば、それは大気操作魔術、「Earth’s Atmosphere Control」、通称「EACon(エアコン)」だろう。この魔法の権能は大仰な名前に見合うほど大規模ではない。

しかし人間の生活に貢献したという意味ではこれ以上なく偉大な魔術である。今では貴族の邸宅に限らず一般家庭に至るまで普及し、政府による調査では97%がこの魔法を活用している。また魔法を生み出したミッジェリー社は世界最大の大企業となり、日々魔術師を派遣し快適な空間を提供している。

しかし問題はある。まず魔術は永続的に続くものではない。無論高度な術者が行う魔術には半永久的な効果があるが、民間で普及する魔術はそれほどの精度はない。毎年温度管理の失敗による重病者、死亡者が発生している。夏に凍死し冬に熱中症になるという異常事態にはゾッとするし、格安業者を名乗る魔術師によってビルが出火したのは記憶に新しい。

「EACon」は確かに素晴らしい。しかし維持し管理せねば酷い事態を招く。安易な快適さに手を伸ばし全てを失うならば、氷水とストーブで一年を過ごす方が賢いかもしれない。