生物

王立魔法生物学研究所よりお詫び

このたび、当魔法生物研究所の熱帯多雨林模倣飼育室より、指定魔法生物であるサソリの一種・ルナティックスパイク(medicamentum lymphatus)が、オスとメスの番で盗難されたことがわかりました。謹んでお詫び申し上げます。

ルナティックスパイクが有する毒は「万毒の祖」とも呼ばれ、特に体内の神経と魔力に作用し、強力な幻覚作用を引き起こします。あらゆる毒に悪用が可能な本種ですが、魔術的に空間を拡張して自然を再現した環境で飼育されており、個体数の確認が不十分だったため発覚が遅れました。また、当研究所の管理システムの記録を解析しても、外部犯より内部犯の可能性が高かったため、盗難された事実の確認がとれるまで時間を要しましたこと、重ねてお詫び申し上げます。

ルナティックスパイクの飼育個体数が減少していたことは、半期に一度行っている、飼育下の全魔法生物の個体数調査を行った際に発覚いたしました。餌の減少量の記録から盗難時期を推定し、警備を行っていた職員の記憶を精査したところ、一部の職員において記憶の混濁が確認されました。外部犯の可能性が高まり、捜査当局へ詳しい調査を依頼したところ、盗難であることが確定いたしました。

ルナティックスパイクは、体長45センチメートルほどに成長する大型のサソリであり、頭がムラサキ色で尻尾にかけて深緑色のグラデーションがかかっていることが特徴です。このようなサソリを所持する人物を見かけたら、まずは十分な距離を取った上で、王立魔法生物学研究所などにご連絡ください。

皆様におかれましては、大変なご不安をおかけいたしますこと、誠に申し訳ございませんでした。

“名もなき花”は混沌の存在だった? 一部研究者に失踪の疑い

多くの詩人が言及しているものの、その実在性を確認できず種として認められていなかった“名もなき花”が混沌(平行世界の間に存在する“世界の狭間”)の存在であることが判明した。

(画像には“名もなき花”と関係のない植物を使用しています。)

トゥリエンデ・フローズ教授率いる魔法植物研究チームの発表によると、“名もなき花”そのものは混沌の中でも特に深い場所に存在するが、魔法の発動などで生じる“次元の歪み”によって“こちら側”に表出することがあるという。

そのため、“名もなき花”への理解を深めすぎたものは混沌に呑まれ、“こちら側”からは認識できなくなる。これまで“名もなき花”へ名前をつけられなかったのは、「名前をつけた瞬間に命名者が混沌に呑まれていたからだ」とフローズ教授は語る。

吟遊詩人をはじめとした詩人は、我々よりも直感的に世界を見つめている。“名もなき花”の異質性・危険性を理解していたからこそ、“名もなき花”という通称を使用し、人々に危険を知らせていたのだろう。

混沌が表出しやすい地質のハウザル地方では、魔法使いの失踪が多く、その中の一部は“名もなき花”が原因で混沌へ呑まれている可能性がある。

“名もなき花”研究に協力した王立アトス大学混沌学部学部長の■■■■=“ジーニー”・■■■■■■教授は、“名もなき花”の危険性についてこのように述べた。

魔法植物研究チームの研究室には、複数の魔法使いが混沌に呑まれた形跡があった。その中には混沌学者も含まれており、混沌の深度がうかがえる。一度“名もなき花”への研究を止め、混沌への潜行と失踪者のサルベージを行う必要がある。

この発表を受け、王国危険生物管理委員会は“名もなき花”の危険度をA-からSSに変更した。今後、“名もなき花”に触れる際には混沌学学士級の資格が必要となる。

アンデッドの分類法、ついに改定!

王立魔法生物学研究所(王魔生研)の朝倉です。

ホラー。ホラーといえば、アンデッド。ゴーストの皆さんは、肝試しでは大活躍ですね!

今回は、そんなアンデッドの皆さんについて紹介します。

(その前に。一般にわかりやすいためアンデッドやアンデッド族という単語が広く使われていますが、魔法生物学上”アンデッド族”なる種族は存在しませんので、迷信にはご注意ください。)

さてアンデッドの存在は古来より知られ、その創出法は様々な古典魔術の経典に秘術として記されていたり、口伝によって受け継がれていたり、強大な王の伝承の中に存在が仄めかされていたりと、様々に伝えられ、多くの種族や派生系がいると考えられてきました。

また、古典的な死霊術の分類法を重視する声も強かったため、比較的若い魔法生物学の合理的な分類法とは独立して分類されてきました。

しかし、最近になってようやく新分類法が広く認められるようになりました。

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フクロウ郵便で配達事故 植物園に新設されたカフェが原因か

デワンシェ月第1週ハマの日、フクロウ郵便に預けた手紙や荷物の配達が遅れる事故がフェルーリンデ市を中心に発生した。その日配達に出たフクロウのおよそ8割の到着が予定よりも大幅に遅れ、一部の手紙・荷物には汚損が生じていた。

原因は、フェルーリンデ市郊外のリンデランデ植物園に新たにオープンしたカフェ「とまりぎ」とその利用者の一部にあると、フクロウ郵便フェルーリンデ支部局長のトールマニー・ユピタ氏は語る。

フェルーリンデ市にはフクロウの休憩場所となる街路樹が少なく、フクロウ郵便のフクロウ達はリンデランデ植物園の樹木で休憩をとることが多かった。カフェ「とまりぎ」で食事中の魔法使いが、休憩中のフクロウにパンくずなどを与えることで、フクロウ達が休憩時間を長くとるようになってしまった。魔法使いの相棒として長い歴史を持つフクロウだが、食の誘惑には弱い。むやみにエサを与えないでほしい

この声明を受け、リンデランデ植物園とカフェ「とまりぎ」は「フクロウにエサを与えないで」といった注意書きの看板を設置すると共に、テラス席のメニューに同様の注意書きを記載すると発表した。

ユピタ氏は会見の最後に、「植物園のカフェ、フクロウ便のフクロウに限らず、外で見た動物にエサを与えるのは控えてほしい。彼らのためにも、ヒトのためにもならない」と伝えている。

その名は、神の供物

王立魔法生物学研究所(王魔生研)の朝倉です。

事実は小説より奇なり、という言葉を聞いたことはありませんか?

人が想像し得る限界は、その人が知りうる知識の限界に等しく、頭を固くしていては真実を見詰めることなど叶わないという、我々研究に携わるものすべての教訓となっている言葉でもあります。

さて、今回は知られている中で、最も巨大な魔法生物について紹介します。

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「ふえるおかねちゃん」実用化に目処 錬経研、増殖する黄金の開発に成功

王立アトス大学錬金経済学研究所のンゼロ・リンリカ教授率いる研究グループが、金属ベースの粘菌生物から自己増殖する生体黄金の開発に成功した。金の精錬は全錬金術師の悲願であり、賢者の石開発につながる成果として期待される。

同グループは、一般にメタルスライムとして知られる腐肉食性の粘菌生物種「ヒトクイテツフグリ」をベースに、多数の魔法生物を儀式的に掛け合わせることで、生体魔素を分解し黄金の子実体を形成する新種を開発。実用試験を重ね、開発名称を「ふえるおかねちゃん」へと改称した。

生体黄金の問題は、飼料の変換効率が悪い点にあった。これまで同グループは、サラマンダーやウンディーネの精霊肉を始めとする高級飼料を用いていたが、より安価で安定的な飼料の発見に成功。コストパフォーマンスの問題を解消し、実用化に目処が立った。「貧困や飢餓、人口爆発などの経済問題は、やがて過去のものとなるでしょう」とリンリカ教授は意欲を見せている。

ふえるおかねちゃんの幼生
▲魔法瓶に収められた「ふえるおかねちゃん」の幼生

「ふえるおかねちゃん」は、僅か5センチほどの幼生から1年で約3メートルにまで成長。与える食料にもよるが、魔法肉を食べることで平均して純度75%ほどの黄金として体積を増加させる。実験室で飼育されている個体は、昨年度では約7.5トンの巨体にまで成長した。

「ふえるおかねちゃん」実用化を受け、王立アトス大学は錬金経済学部の大幅増員を決定した。有望な若手研究者の確保、増員が狙いとみられる。

前年度では錬金経済学部の学生のうち62%にあたる約1300名が失踪。例年にない失踪者数に、同学部は定員割れを起こしたことで知られる。今回は特例として入学金・入学試験免除と、広く魔法使いを募集する姿勢だ。リンリカ教授も「最先端の研究に携わるチャンスです」と話している。

不確かなドラゴン (Phantdracoidae科)

王立魔法生物学研究所(王魔生研)の朝倉です。

突然ですが、クイズです。

ドラゴン学において、もっとも研究が難しいドラゴンとは、どのようなドラゴンでしょうか?

おそらく夏休みの自由研究なのでしょうか、王魔生研にもこのような質問がやってくる季節になりましたので、お答えします。

答えの前に、ドラゴンの研究を難しくする要因を考えます。

  1. 発見が困難な種であること
  2. 気性が荒い種であること
  3. 存在が不確かな種であること
  4. 生活環境が非常に厳しいこと
  5. 仲間を助けようとする他のドラゴンへの対処が必要なこと

などが挙げられます。これらの要因で、研究を一番困難にするものはどれでしょうか。

世界の果てに住むドラゴンなどは生活環境が厳しく、一種一個体しか発見されていないものもいますが、発見自体は難しくありません。

気性が荒い種の生活を観察することは、難しいですが、死後の個体などを入手できないわけでもありません。

同様にドラゴンの生活環境が厳しい場合、飼いならすことは難しいですが、自然の中でのドラゴンの観察は、十分な準備があれば可能です。

そして採取した卵に対する反応など、たいていのドラゴンは仲間を助ける意識が強いため、特定の種において、ドラゴンの対策が必要というわけではありません。

概念上のドラゴンを除いて一番難しいのは、存在が不確かなドラゴンです。

特にPhantdracoidae科のドラゴンがそれにあたります。それどころか、この科のドラゴンは存在そのものが疑問視され、議論が絶えません。他の魔術的な要因が、ドラゴンのような幻影を見せているのではないか、という議論はおいて、現在、目視による観察と、この科のドラゴンが残した痕跡を基に研究が進められています。この科のドラゴンに共通する大きな特徴は、触れることができず、映像や写真に残すことができないこと、さらに、遠くから観察すると大きく見え、近くで観察すると小さく見えることです。

今回は、その中でも研究の進んでいる2種について紹介します。

 

Phantraptor incertus

この種は、主に群れを成して生活しており、牧畜を襲ったり、大型の草食獣などを捕食したりしています。羽は生えておらず、地上を二足で走るしなやかな体をしています。

しかし、その体の半分は抽象化されたようにのっぺりとしており、歯なども顔の半分にしか存在していないように見えます。また、全身がねじ曲がって見え、後肢は左右で交差しています。尾も同様にねじれて垂れ下がっているため、体長を目視によって測定することは難しかったのですが、残された爪痕や歯型、多くのスケッチなどを基に、約1.2~1.5メートルだと考えられています。

このP. incertusは、100メートルほど離れたところから観察すると、体長が約5メートルほどに見えますが、1メートルまで近づくと、体長は約30センチほどに見えます。

また、P. incertusの鳴き声は、ヤギを絞め殺した声と言われるほど不気味であり、死を告げるドラゴンとしても有名です。

 

Irregula regula

この種の一番の謎は、出現するのが孤島に限られ、しかも単独であるということです。I. regulaは、5メートルほどに近づくまで視直径7.2°の大きさを保ちます。そのため、1キロほど離れたところから観察すると、体長が約250メートルほどに見えます。I. regulaが残した爪痕や、歯形などからは、体長約15~20メートルほどだと推測される一方で、1キロメートル離れた地点で観察した際のI. regulaが歩行すると、ひと足で木々をなぎ倒すのが観測され、実際に足跡を確認できることから、P. incertusとは異なり、体サイズが可変であることが知られています。

また、P. incertusと異なり、I. regulaの体はねじ曲がっていませんが、頭の上半分どうしが合わさったような一対の上あごをもち、左右対称の頭が地面に平行に存在するため、通常のドラゴンなどと比較すると、顔を90°ひねって鏡写しになったように見えます。

I. regulaも羽を持たず、後肢による二足歩行をしています。そして、捕食するのは比較的小さな草食獣で、噛みついて丸のみにします。I. regulaは出現した孤島の小型~中型動物を食べ尽くすと、いつの間にか消滅している、という性質を持つため、同一個体が孤島間を転移していると考えられていますが、実証が難しく、不明なままです。

このI. regulaは、絶滅の危険がある動植物を荒らす暴君として、孤島の動植物保護団体からは半ば災害のような扱いを受けており、その美しい鳴き声にも関わらず、大変不人気なドラゴンでもあります。

【注意喚起】ショックバトンにご用心

王立魔法生物学研究所(王魔生研)の朝倉です。

海、山、川、魔界、天界などの自然に触れるレジャーは楽しいものです。

特に南国の、河口からジャングル内の川を遡上するツアーなどは、普段図鑑などでしか見ることのできない魔法生物に触れる大チャンスです。

そんな旅行に際して、王魔生研より注意喚起をいたします。

ショックバトンの誤用にご注意ください。

ショックバトンは、電撃魔法と衝撃波魔法を、害獣対策用に特化させて組み込んだ杖です。最近、効率化や安全対策の向上が重ねられ、とても便利になってきていますが、毎年悼ましい事故が発生しています。特に、安全対策が甘い、旧タイプのショックバトンでの事故が多く報告されています。

それは、マッドカッター (Novacula tenebra) と呼ばれる、手のひらサイズのカニのようなエビと関連した事故です。
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研究中間報告 ドラゴンが卵生を選択する理由

王立魔法生物学研究所(王魔生研)の朝倉です。

古来より根強い人気があり、それ自体でひとつの学問体系を成すドラゴン学(Dragonology)。

今回はドラゴンが卵生を選択することについて、新たな知見が得られたため紹介します。

ドラゴンの卵。初級錬金術の教科書でも紹介される最高の魔法触媒のひとつであり、同時に、採取においても最高難度の素材であることが知られています。昨今のドラゴン飼育法の改善にもかかわらず、いまだ天然のドラゴンの卵が効能においても最上であることから、高額で取引され偽物も多く出回っています。

さて、このドラゴンの卵に関して、このような疑問を持ったことはないでしょうか。

“卵で生まれてこなければ、盗られることもないのに”と。

ドラゴンの生態の多くは謎に包まれています。群れを成すものから単独生活を行うものなど様々であり、仔育てについても共通しません。卵を守り、孵った後も餌付けをする種から、自分のテリトリーの外に卵を産み付けたら放置をする種、さらに有史以来いまだ産卵が確認されていない種まで様々であることが報告されています。

しかし、これらすべての種に共通するのが、営巣地から卵が移動したのを感知する能力を持つことです。

もちろん、この能力にも種間で差があるため、留守を狙って卵を採取できる種もあれば、何千里も離れていたにもかかわらず、卵の採取が発覚してドラゴンが街ごと滅ぼした例もあります。新種のドラゴンによる被害について、この卵の採取仮説も含め、様々な仮説が王魔生研内でも検証され始めています。

近年まで、ドラゴンはこの特殊な知覚能力を持つため、卵生を選択すると考えられてきました。

ドラゴンは闘争が絶えない種であり、妊娠を選択した場合の戦闘における胎児の死亡リスクが高いことがひとつ。また、生態系の頂点に君臨し、営巣地に近づく他の動物が少ないことから、卵生の方が生存率が高くなると考えられます。

しかし、最近の研究結果から、どうやらそれだけが理由ではないことがわかってきました。

寒冷地に住むフロストリザード(Glaciatus属)の一種など、胎生のドラゴン近縁種における研究から、生活環境が著しく厳しい場合、かつて卵生だった種が胎生に進化することが明らかになりました。フロストリザードは、卵生であるフォレストレッサードラゴン(Acerunguis lustrum)が寒冷地に適応し、胎生へと進化した種であると考えられています。

このように、ドラゴンは厳しい環境に適応するため、胎生に進化するのが一般的です。

ドラゴンは、より強大で希少な種であるほど、他の生物では生存も難しい環境で生活することが報告されています。また、多産のドラゴンでも出卵数は胎生の動物種の出産数と大きく変わらないことから、出卵数を増やすといった生存戦略をとっていないことが知られています。

では、どうして卵生を選択し続けるのでしょうか。

ドラゴン学の権威であるアンダーソン教授との共同研究に、1,000年前の地層から発見された古龍の卵を孵化させ、飼育するプロジェクトがあります。現在、3つの卵のうち、2つを孵すことに成功し、ドラゴンの研究を大きく進歩させることに成功しました。この成果から見えてきたことがあります。

それは、ドラゴンの卵は条件を満たさなければ孵化しない、ということです。この孵化の条件については今後も研究が必要ですが、より一般的な種ほど単純な条件で孵化すると考えられています。また、もしドラゴンが胎生を選択するならば、この孵化の条件が出産の条件となり、条件を満たすまで胎児を抱えることとなる可能性が示唆されました。

つまり、より一般的なドラゴン種では、闘争時における胎児の死亡リスクと卵を盗まれるリスクの間のトレードオフで卵生を選択し、より希少な種では、出産条件を満たすまで胎児を抱えるリスクと厳しい環境リスクの間のトレードオフで卵生を選択したと考えられました。

現在、ドラゴンの近縁種であるレッサードラゴンや大蛇種の卵生・胎生選択から、中程度の環境リスクであると考えられる地域に生息する比較的孵化条件の緩いドラゴンが胎生を選択する理由について、研究を進めています。

今後の報告をご期待ください。

ウィザナリアを滅ぼしたドラゴン、新種と発表

学術都市ゾルドアは、ウィザナリアが滅亡した原因がまず間違いなく新種のドラゴンであると発表した。

元ウィザナリア領地、ヴィジョンディープの森林を調査中にドラゴンのものとみられる痕跡が多数発見されていた。痕跡には既存種との共通点がなく、複数の専門家によって新種と断定された。

国王の補佐官を務めるブラック・クリーナー氏によると、ウィザナリアの王都跡地でウィザナリア王の遺品を捜索中、飛竜隊の攻撃や大規模魔術の跡と共に、破損した記憶水晶も発見されていた。記憶水晶には、地に落ちた飛竜隊員とワイバーンを喰らうドラゴンの姿が映っており、見たことのない禍々しい角や翼の特徴に調査中の魔術師は度肝を抜かれたという。また、以前発見された鱗の分析結果も既存のドラゴンと一致していない。

ゾルドアはドラゴンの爪痕や吐いたブレスの痕跡などを採取・記録し、記憶水晶、鱗のサンプルと合わせて世界各国の専門家に送り識別を依頼したところ、返答は「このような種のドラゴンは見たことがない」というものだった。近く学会で新種として登録される。

また、このドラゴンが生まれた年代についての研究調査も進んでいる。数百年前からウィザナリア領内に生息していた可能性があり、同地域に残るドラゴンの逸話からも新種ドラゴンの特徴と一致する記述が見つかっている。

これまで最強とされていたのは旧ドラミルド国山林で見つかったアゴニスドラゴンだったが、ブレスの威力や国の壊滅状況から分析すると新種の強さは他の種を凌駕している。

ウィザナリア滅亡以降、新種ドラゴンの目撃情報は絶え、どの地域を縄張りにしているのかすら分かっていない。通常ドラゴンは山林を中心に世界中のあらゆる場所に生息する。

新種ドラゴンの居場所が不明であることから、世界各国はそれぞれ国民へ注意を呼び掛けている。