生物

グリフォンとヒポグリフの違いについて

非常にポピュラーでよく知られている魔法生物、「グリフォン」と「ヒポグリフ」。

基本的な種だからこそ、覚え間違えてしまう魔法使いも多いのではないだろうか。

今回は、混同して考えてしまいがちなグリフォンとヒポグリフの違いについてまとめていこうと思う。

グリフォンの特徴

グリフォンは、鷲の上半身に鷲の翼、獅子の下半身を持つ魔法生物だ。鷲の部分は金色で、獅子の部分は白色をしている。語源はギリシア語の「グリュプス」(γρυψ)から。これは「曲がった嘴」を意味している。

鳥の王である鷲、獣の王である獅子の両方の特徴を持つことから、王家の紋章に使われることが多い。

高山に生息し、巣に大量の財宝を蓄え守護している。今までにも、それを奪おうとした賊がグリフォンの爪で引き裂かれ大怪我を負ったり、最悪の場合死に至ったりする事件が相次いでいる。

このことから分かる通り、性格は非常に獰猛であり騎乗は困難である。

グリフォンは神々の車をひく役目を持っており、馬や牛とはライバル関係にある。グリフォンはその鋭い鉤爪を使い、馬や牛を喰らうという性質を持つ。そのため、馬と掛け合わせることは不可能であると考えられてきた。

ヒポグリフの特徴

ヒポグリフはグリフォンと雌馬の間に生まれた魔法生物である。今まで不可能とされてきたが、何者にも例外はある。200年程前、魔法生物学者として名高いダーモアード・テイルサーンが見事交配に成功した。

上半身が鷲であることは変わらないが、下半身は馬という特徴を持っている。名前の「ヒポ」(hippo)は馬という意味、「グリフ」(griff)はグリフォンを表している。

グリフォンと同じ食性で、馬や人間を喰う。しかし性格はグリフォンほど獰猛ではなく、騎乗が可能だ。フランスの英雄であるアストルフォなどは、ヒポグリフに乗って月まで行くという逸話を持っている。

まとめ

以上のことから、騎乗や飼育はグリフォンではなくヒポグリフがオススメだ。

しかし、倉庫番としてグリフォンを置いておけばあなたの財宝が盗まれることはまずないだろう。

時と場合、そして自分の技量によって手懐ける種を変更するべきなのは、他の魔法生物と変わりない。

保護施設スタッフ、魔法生物を横流しか

ギョット県立魔法生物保護施設(以下『保護施設』)の従業員、ケイパー・アヴィド容疑者(33)が、保護飼育中の魔法生物数十体を複数の市場に横流ししていたことが、捜査関係者への取材で明らかになった。ギョット県警は、アヴィド容疑者が数年に渡り犯行を続けていたと考え、捜査を進めている。

「一定周期で生じる『民族料理ブーム』による食材としての魔法生物の需要に目を付け、犯行に及んだのではないか」と、ウロル国立メルカヒルド大学経済学部の准教授であるメニエ・ゴルトミュンツェ氏は分析する。

この捜査によって、能力を使って消失・脱走した生物に対する保護施設の杜撰な対応が明るみに出た。また、事件を受け、県内各地で魔法生物愛護団体によるデモ活動が発生しており、全国的に波及することを懸念する声もあがっている。

不幸な使い魔を出さないために ファミリアシェア・ハウス誕生

あなたにとって、使い魔とはどのような存在であろうか。

仕事に欠かせないワークパートナー。
家族や友人、恋人にも言えない秘密を打ち明ける相手。

恐らくさまざまな回答があり、その存在について一括りで説明をするのはとても難しい。

しかし、どの主人使い魔の関係で共通して言えることは、二者の間には確固たる信頼関係が結ばれており、あなたが惜しみない愛情を彼らに注いでいるということだろう。

それでも、世の中には主人に恵まれなかった使い魔たちが存在し、その数は決して少なくはない。

そんな彼らの行く末は悲劇的であることが多く、使い魔の野生化、衰弱による消滅は今世の大きな問題のひとつでもある。

今回そんな問題にいち早く取り組み、新たなサービスを展開したのは、近年使い魔業界に台頭してきた企業ファミトピアである。

今回、ファミトピアのCEOでもあるリリアリス・ヴィアン氏は、新たな業態として“ファミリアシェア・ハウス”を展開することを発表した。

同代表によればこのハウスは、主人たちに捨てられてしまった使い魔たちのシェルターと、魔法使いの住む住居を併合したサービスであるとのことだ。

今回建設されたハウスは4階建てとなっており、1階はシェルターと共有スペース、住居部分は2階~4階となっており各フロアに15戸設置されている。

今回のハウスでは同社が保護している使い魔のうち、有翼類を含む小型有毛種およそ10種、計50体ほどが暮らしている。

彼らは保護されたあと、FHT(Familiar Health Technican、いわゆる“使い魔看護師”)による十分な身体的、精神的ケアを受けて同ハウスで暮らしている。

リリアリス氏によれば、特に小型有毛種の使い魔たちは一度契約を結ぶと誰かに世話をしてもらうことに慣れてしまうため、契約を解除し、回復を待って自然シェルター等に譲渡しても自力で生きていくのが難しいという。

契約を解除された使い魔たちが新たな主人の下で第二の使い魔生を送れるようにとの思いで、ハウスは設立された。

設立に当たって、リリアリス氏は次のように述べている。

近年、身勝手な主人たちの都合により、不幸な最期を迎える使い魔は決して少なくありません。

弊社はそのような使い魔たちを一体でも多く救いたいという思いから、今回の“ファミリアシェア・ハウス”を誕生させました。

なお、シェルター内の使い魔は入居者であれば契約なしでパートナーとして行動できるため、複雑な手続きなしでマッチングが行える。相性のいい使い魔がいれば引き取り、専属契約を結ぶことも可能だ。

ただし、契約に当たっては同社による厳しい審査が行われる。審査基準を満たさない場合は専属契約を結べない。

今回発表されたハウスには入居希望者の問い合わせが殺到しており、倍率はおよそ150倍とみられている。反響を受け、同社では同じ形態のシェア・ハウスの建設に向けて動いていると発表した。

また、今後について、竜型種、大型獸種に向けたハウスも展開して行きたいとリリアリス氏は会見の場で述べた。

この度発表されたファミトピアによる新たな試みは、使い魔放棄問題の解決策として旋風を巻き起こすことが出来るのか、今後の動向が楽しみである。

 

ファミトピア(Famitopia)···

社名にもなってている、『ファミトピア』は、企業理念でもある、使い魔(familiar)にとっての理想郷(Utopia)提供するとの思いから、CEOリリアリス・ヴィアン氏により名付けられた。

200年間主人を待ち続けた猫、安らかに眠る

広大な湿地と豊かな森に囲まれた穏やかな町、グリーンヒール。先日、この町で長年暮らした1匹の黒猫が静かに息を引き取った。名前はオル。251歳の大往生だった。

オルは200年前まで、ある魔女の使い魔として飼われていた。鍵しっぽで全身黒く、更に左目が潰れたオルのことを魔女はいたく気に入り、自分の家へ招き入れた。当時を知る貴重な魔法使いであるジェイドさん(220歳)は「オルの主人は、良家に生まれたがうまく魔法が使えずに捨てられた、寂しい人でした。彼女が町の人と交流することはありませんでしたが、オルと暮らし始めてからは毎日楽しそうにしていたのを覚えています。しかし彼女の一族が彼女に政略的な婚約をさせるために連れ去ってしまってからは、オルもあの家も色を無くしたようでした」と当時の様子を語った。

ジェイドさんによると、オルは主人がいなくなった後も主人と共に暮らした家に留まり続け、やがて家が風化し取り壊されてもその場を動かなかったという。

そんなオルが主人と再開を果たしたのは、あまりにも切ない場所だった。

グリーンヒールに住む魔法使い達がオルのためにと魔女の一族の家を探り、やっと探し当てた住処は既に更地となっていた。

「90年前、子供のドラゴンばかりを狙い密猟を繰り返したことで怒りを買って、ドラゴンたちに滅ぼされた一族がオルの主人の生まれだったんです。調べたところ、オルの主人の名前はアルタリアさんといって、生まれつき魔力の乏しい中、逃げ遅れた子供たちを守るため最後まで戦っていたようです」

そう語るジェイドさんの瞳には涙が浮かんでいた。

ジェイドさんらグリーンヒールの住人は話し合いの末、オルをアルタリアさんの墓まで連れていくことにした。年老いたオルを墓の傍にそっと降ろすと、今まで聞いたことのないような声で鳴いたという。

オルはアルタリアさんの墓を守るように1週間ほど墓標に寄り添い、その後役目を果たしたように静かに息を引き取った。この切なくも優しいニュースに、魔法界中から「どうかアルタリアさんの隣でオルを眠らせてあげてほしい」との声が殺到し、オルの墓が建てられる運びとなった。

これに伴い、グリーンヒールの町長であるフルール・キャンベル町長は「勇敢で心優しいアルタリアさんと、その優秀な使い魔のオルを誇りに思う。この出来事はこれから先もグリーンヒールで語り継がれていくだろう」と語った。

オルの墓は来月下旬を目処に完成する予定だ。

ドラゴンの目撃相次ぐ 討伐隊編成へ

24、25両日、王都ウィザナリア付近で親子とみられるドラゴン2頭の目撃情報や足跡の発見が相次ぎ、討伐隊を編成することが決まった。

兵士長によると、24日正午ごろ、森でドラゴンが飛んでいるのを目撃したと帰還した遠征隊から報告を受けた。体長約4メートル1頭、約2メート1頭の計2頭で、すぐに目撃場所付近を捜索したが見つからなかった。

25日午前4時半には王都から約300メートル離れた森で、親子とみられる足跡や他のモンスターを食べた痕跡などが見つかり、王都は安全が確認できるまで警戒を強めている。今週に入り、王都上空を飛んでいるドラゴンも目撃されていることから、飛龍隊を中心に編成し討伐を考えている。

調理の杖 〜グリフォン〜

グリフォンとは、その多くがコーカサス地方の山中に生息している、鷲の上半身に獅子の下半身を持つ魔法生物である。魔法界ではその気高さ、厳かさから、古来より王家の紋章に入れられることが多く、王の象徴ともされたという。

第1回目は、この王家の獣、グリフォンを「食」の観点から紹介する。

グリフォンを「肉」として見たことのある魔法使いはほぼ居ないだろう。そもそも、誇り高く賢いグリフォンを狩るのはドラゴンに鼻炎薬を飲ませるのと同じほど難しく、心得のある狩人でなければ狩りは不可能である。そして、その肉も非常に高価であり、今や「グリフォンを食べる」という文化自体が薄れつつあるのが現状だ。

しかし、実際グリフォンの肉にはスタミナと魔力の増強効果があり、さらに大昔には、「戦の前に戦士たちが皆グリフォンの肉を生で食べて精をつけていた」という文献が残っているほど、グリフォンとは魔法使いに身近な食材であった。

まず調理法だが、グリフォンを食べるにあたり、グリフォンは成熟すると肉が固くなり、味もかなり獣臭くなってしまうという難点がある。ハーブとショウガ、マンドラゴラ(別名マンドレイク)の葉をすり潰して混ぜたものでよく揉み、一晩ほど漬ければ獣の臭みは消えるが、肉の硬さは消えない。また、グリフォンの細胞は魔法に抵抗を持ち、魔法をほとんど通さない為、切り裂き魔法等の調理魔法は効果がない。

しかし、グリフォンの体の緊張を解く効果がある瑪瑙(めのう)を用いて肉をよく叩くことで、肉がほぐれ、ほどよい柔らかさになる。あとはこれをオーブンで焼くだけだ。

グリフォンの肉は鶏肉に似た食感を持ち、まろやかにした山椒のような風味が特徴だ。味付けにスパイスやソースを加える必要のないその独特な風味は、決して他の獣にはない、グリフォンならではの味わいだろう。

かつては知恵と王家の象徴にされた獣。

貴方も是非1度、彼らを味わってみてはいかがだろうか。

新種? 「ざしきわらシルキー」発見

グローバル化の進行により国際結婚、異種族間結婚も珍しくない時代になったが、このたび非常に珍しい、妖精と妖怪の異種族間結婚による新種が発見された。

仮称は「ざしきわらシルキー」。その名の通り座敷童とシルキーの間に生まれたと考えられ、実際に発見された当時は座敷童の住む旅館(写真)にて、シルキーと座敷童の間に挟まれる形で仲睦まじく寄り添っていた。

親のシルキーは、イギリスの古い魔法使いの家系に代々仕えている妖精である。当代主人が日本に留学する際に着いていき、座敷童と出会ったと考えられている。

「ざしきわらシルキー」の見た目は二種の中間であり、真っ白な肌にプラチナブロンドの髪をおかっぱに切りそろえ、白い絹の小袖を着ているという。

王立アトス大学精霊学部教授コルネリア・ライバドール氏は、「過去に例のない交配種です。シルキーは家の手伝いをする妖精、座敷童は家に幸運を与える妖怪です。どちらも“家”につく精霊であるため、お互い親しみを持ったと考えられます。新種を妖精と分類するか、妖怪と分類するかはいまだ議論中です」と発表した。

 

山林で遺体発見 ドラゴンによる被害か

王都ウィザナリア辺境の山林で大きなモンスターに噛みちぎられたとみられる身元不明の遺体が見つかっていたことが、王都遠征隊への取材で判明した。現場付近では昨年6月、ドラゴンに襲われたとみられる60代魔女が死亡したほか、毎年ドラゴンの目撃情報が相次いでおり、同隊はドラゴンによる被害の可能性もあるとみて死因や身元の特定を急ぐ。

同署によると25日午前8時40分ごろ、行方不明者の捜索をしていた同隊員らが、うつぶせで倒れている遺体を発見した。損傷が激しく性別は不明。黒いローブらしきものを着ていたが、身元特定につながる所持品はなかった。近くに杖が落ちていたことから、遺体の持ち物とみて照合し調べを進めている。

付近では、マンドラゴラなどを取りにきていた王都在住の魔法使いの男性(66)が14日から、付近の村の男性(78)が18日からそれぞれ行方不明になっており、近くで2人のホウキが発見されている。

決め手はもふもふだった 梟と結婚する女性現る

古くから魔法使いたちが使役し生活を共にしてきた愛すべき猛禽類、梟。使い魔としてのみならず、家族として親しみを持つ魔法使いも多いのではないだろうか。そんな梟と永久の愛を誓ったという驚くべき女性が現れた。

女性の名前はロゼッタさん(29歳)。多くの魔法使いが暮らす閑静な港町で、ポプリの専門店を営む魔女だ。彼女は幼い頃に両親を亡くし、それ以来使い魔の梟であるバドくんと共に、一人と一匹で暮らしてきた。

「バドはとても賢くて優しいんです。私は今までなんとかして家族が欲しくて、色々な男性とお付き合いをしてきました。けれど今まで一人で散々自由に生きてきたから、どうにもうまくいかなくて。それで、最近ようやく気がついたんです。私が心を許せるのは、世界でただ一匹、バドだけだって。バドのふわふわの毛並みに触れている時、私は世の中で一番の幸せ者だって思います」

幸せそうに語るロゼッタさんの肩の上で、バドくんがどこか誇らしげな顔をしていた。

ロゼッタさんは昨年12月に魔法市役所にバドくんとの婚姻届を提出し、なんと先月2日にこれが正式に受理された。この驚くべき出来事に対し、婚姻届を受理した市役所の職員は「これをきっかけに、狼男や半魚人などの異種族との婚約も気兼ねなくできるようになればと思った」と、最近問題視されている異種族間での婚約について触れた。

バドくんとロゼッタさんは来月、結婚式を開く予定である。式にはバドくんの友人の梟も呼び、ネズミやコオロギなどの料理も振るまわれる。

【気象情報】各地に異常寒波襲来 氷竜不調か

季節外れの寒波が襲来し、政府が防寒の徹底を呼びかけている。

原因について、専門家たちは「アイスドラゴンの風邪」とおおむね一致した見解を出している。

筆者が国境なき魔法医師団に取材を試みたところ、拠点はもぬけの殻であり、机の上には「氷竜に風邪薬を届けに行ってきます」とメモだけが残されていた。

アイスドラゴンは『世界の果て』に棲む1頭の巨大な竜である。この竜が一日に一度吐き出す氷点下の息は、世界の果てからはるばる海を渡ってこの大陸までやってくる。海を渡るあいだに温度が上がり、たくさんの水蒸気を含んだ空気の塊となって大陸へ到達、各地に雨をもたらすのである。

しかしアイスドラゴンが風邪をひいてしまった場合、吐き出す息の温度は絶対零度付近にまで下がり、息は氷点下のまま大陸に到着してしまう。

今回の寒波はそれが原因であると予想されている。

温暖な気候で知られるアンガスの森では、数百年ぶりに樹木に霜が降りた。

アンガスの森で暮らすエルフたちも異例の事態にてんてこ舞いだ。

「耳当てがね、ないんですよ」

エルフ族・ヴェイナ氏は語る。

防寒着の備えがなかったため町に出ていろいろと買い込んだはいいものの、耳当てだけが見つからなかったという。

「ほら、私たちって他の種族より耳が長いでしょう? 普通の耳当てだと、飛び出しちゃって意味がないの。だからって無理に折り曲げると痛いし、ねえ」

ヴェイナ氏の両耳には、机の脚に着けて床に傷が入るのを防止するためのカバーがすっぽりと被せられていた。

「あっ、これは代用してるだけなの。あんまり見ないでっ」

人々は寒そうに俯き、足早に行き交う。普段は活気がある町もなんだか静まりかえっている。と思ったら、公園のほうからは元気そうに遊ぶ子供たちの声が響いてきた。

「アイスドラゴンさんがいる『世界の果て』って、とっても寒いんでしょう? 風邪ひいちゃうぐらい寒いところにずっといるなんてかわいそう。わたし、いつかアイスドラゴンさんにも着られるようなおっきなコートとマフラー編んで、届けにいってあげるの!」(公園で遊んでいた女の子)

寒空の下で取材してまわっていた私は今にも凍えそうであったが、心はほかほかと温まった。

アイスドラゴンの棲む『世界の果て』までは最短でも1週間かかるため、寒波もあと1週間は続くとみられている。

風邪などをひかないよう、しっかりと防寒対策をおこなってほしい。