生物

雨期到来。可愛い”妖怪”にご用心!

今年も雨の多い季節がやってきた。
視界が悪くなり、事故も増えるこの時期、注意しなければならないものがもう一つある。

それは、最近この地域でも時折みられるようになってきた極東の妖怪「すねこすり」である。

すねこすりは、極東のとある地域に生息している小型の犬や猫(※通常種)と同等の大きさの生物であるとされ、雨の降る深夜に出歩いている人間の足の間に体を擦りつけていく”妖怪”である。

見た目は犬や猫に似ているとされているが、その生態はまだよくわかっていない。

普通に歩いていたらなにか毛の塊が足を撫でていった、足をこすっていった、という証言が時折聞かれる程度である。

歩きにくくなる以外は大きな被害は出ないが、力の弱い子供や高齢者などはそのまま転倒する恐れがあるため、注意が必要である。

しかしその一方で、すねこすりを一目見たい、触れ合ってみたいという魔法使いが増えており、雨の日の深夜にわざと外に出る人が増加している。

害のある妖怪という訳でもないため、すねこすりを無暗に怖がらせたりしないよう、東洋魔術協会から警告が出ている。

七人御佐姫、平均5.8人である事が判明 少子化影響か

【社会面・話題】
七人御佐姫
平均5.8人であることが判明 少子化影響か

厚生労働省によると2017年6月時点での全国国霊調査により判明。

七人御佐姫は一般的に7人で現れ、1人をとり殺すと現メンバーの1名が成仏、新たにとり殺された1名が新メンバーとなるシステムで運用されている。

しかし近年では1名が補充される前に既存メンバーが主に「飽きた」「別の尊みを見つけた」「メンバーとの音楽性の違い」などの理由から任意に成仏してしまう事例が増えているとのこと。

識者によると「少子化が背景にある。子供の山や海辺での活動が減少し、七人御佐姫との遭遇数そのものが減少していることがあるようだ。

また狐・狗・狸による神隠しや山への誘導も通信機器技術の発達により減少している。

こちらとの関連も調査が必要」とのことで、詳細な調査の実施が待たれている。

史上最年少のドラゴン遣い誕生 “最凶”のドラゴンを手懐ける

魔法使いとドラゴンの間で発生した大規模な戦争の影響で一時荒れ果て、最近復興を果たしたばかりのタルムの森で先日、驚くべき出来事が起こった。

「息子が大きな金色の卵を持って帰ってきたときは、本当に驚きました。危険だから捨てるように言ったのですが、言いつけを破ってずっと隠していたみたいで……」

戸惑いを隠しきれない様子でそう語るのは、先の戦争で多くのドラゴンを討伐した英雄、ジャネットさん(32歳)だ。彼の一族は古くから凶暴なドラゴンを討伐し、魔法界の平和を守ることを生業としてきた。

そんな中、彼の一人息子であるオリバー君(6歳)が驚くべきことを成し遂げた。我々魔法族を脅威に晒してきたドラゴンの中でも「最も危険」と言われるアルファルド・ドラゴンの卵を孵し、手懐けることに成功したのだ。

「名前はヴィーっていうんだ。もちろん僕が名付けました。ヴィーは甘えん坊で、いつも僕にくっついて離れないんだ。僕たち、とても仲良しなんだよ」

そう語るオリバー君の腕の中で、ドラゴンの子供が丸まって眠っていた。

この出来事は魔法生物学会に大きな衝撃をもたらし、多くの魔法生物学者たちを震撼させた。世界的権威とも言われるランドン・アンダーソン博士(156歳)は「今まで多くのドラゴンを研究してきたが、人間の腕の中で眠るアルファルド・ドラゴン種というものは見たことがない。この種はドラゴンの中でもとても凶暴であり、それ故に研究データもとても少ない。今回の一件で、魔法族とドラゴンの関係に大きな変化が訪れるだろう」と述べている。

長年争いを続けてきた魔法使いとドラゴンの間に、革新が巻き起こるかもしれない。小さなドラゴン遣いの誕生に、今後も目が離せない。

マンドレイク「抜いてみた」で青年3人重軽傷

動画サイト「Magitube」で人気を集めるマギチューバーの青年3人が、動画配信中に重軽傷を負った。

配信内容は「マンドレイク抜いてみた」。マンドレイクは数百年ほど前まで各地で多く見られた植物だが、現在はその数が激減し、国によっては天然記念物に指定されている。過去には魔法薬の原料として重宝されていたが、株数が減り、代替となる材料が多く見つかったため、マンドレイクが市場に出回ることはほとんどない。

青年たちは「マンドレイクを抜くと、伝承通り正気を失うのか?」というテーマで動画配信を開始。マンドレイクが生息するマリトーラの原生林(写真)に入り、見事に大ぶりなマンドレイクを発見した。

しかし、不用意に引き抜いたところ伝承通りの大絶叫。青年3人のうち2人はその場にうずくまり、その後めちゃくちゃな動きをしながら近くの木に頭を打ちつけるなどして、額を3針縫う大怪我を負った。残る1人は事前に耐魔力を込めた薬を耳に塗っていた為、ふらついて転び、膝を擦りむいただけだった。

現在生息するマンドレイクは他の野生種と交雑を繰り返しており、伝承のマンドレイクほど毒性が強くない。絶叫を浴び、発狂の末昏倒した青年たちも数時間後に目を覚ましたが、配信の前後のことはまったく覚えていないという。

マリトーラ原生林の管理人は、「まねしてマンドレイクを探しに来る人たちが出るので、これに懲りたら今後はこのようなことをするのはやめてほしい」とコメントした。

もふもふしたい人集まれ! カーバンクル品評会

最近疲れている、癒しが足りない……。
そんなあなたに、可愛らしいイベントのお知らせです。

来月1日~3日の3日間、イッシュヴゥリテ地区にて、カーバンクルの品評会が開催されます。

本品評会は出場枠が3部門に分かれており、ネコ型、ウサギ型、リス型の各部門で入賞した上位2組が、この秋に開催される国際大会の出場権を手にします。

品評会の審査基準は、額の宝石の輝きのほか、毛並み、特技、飼い主とのパートナーシップの強さなど、10項目ほどに渡って厳しく審査されるとのことです。

また今回のイベントでは、品評会と並行して、カーバンクルとの触れ合いコーナーや里親募集コーナー、ブリーダーによる育成アドバイスなどの企画も充実。昨年の地区チャンピオン達によるデモストレーションも開催されます。

この機会にぜひとも愛らしい彼らに会いにいきませんか? 癒しとともに新たな出会いがあるかもしれませんよ。

イベントに関する問い合わせは、カーバンクル品評会委員会までご連絡くださいませ。

【不定期連載】化け狸大学教授に聞く「変身魔法」①

変身魔法は、我々の身近なところで使用されている魔法だ。

例えば「化け粧ファンデーション」は調合失敗時にできた顔のイボ隠しによく使われている。また筆者のような魔法生物は、「WTA(Working Transform Animal)」として変身魔法を用いてヒューマン等に化けて仕事をしている。

このコラムでは、変身化け学の権威として著名な化け狸大学教授の茶釜 ぶんぶく氏(以下 茶釜氏)にアドバイスを頂きながら、変身魔法を使う上での落とし穴や、知っておくと便利な術式や魔道具等を紹介していく。

今回のテーマは先程も上がった「WTA」についてだ。

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モンスターの卵、盗難相次ぐ

辺境の村、ソルバのワイバーン人工ふ化施設などで、ワイバーン計56匹の卵が持ち去られていることが、先月分かった。村内では同様の手口でキマイラの卵も盗まれている。関係者は、錬金術で使用するモンスターの卵の需要が高くなったことで卵に希少価値が出たことが背景にあるとみて、警戒を強めている。

王都ワイバーン増殖事業協会(王都ウィザナザレ)によると、管理しているソルバのふ化施設で25日朝、職員が飼育場近くのワイバーンが暴れているのを見つけた。原因を調べると卵が持ち去られていた。持ち去られた卵は56個、その内数個は、王都の飛龍隊に送られるはずの卵だった。

ソルバの西地区でも9日、キマイラ25匹の卵が盗まれていたという。いずれも職員不在の間に何者かが侵入したとみられ、協会は犯人を探し出すために、王都飛龍隊と冒険者に依頼を出すことを検討している。

星屑祭にファイオン襲来、三万人以上が死傷

1月31日、火を操る大型の獣ファイオンがバーデン国のイグルボナ市を襲撃し、三万人以上が死傷、約一万七千戸が全焼した。

ファイオンとは翼の生えた火を操る大型の獣であり、その火力は大規模魔法にも劣らないとされている。本来は砂漠のような場所を好み、滅多に人里には現れない。ウロル国立メルカヒルド大学幻獣学部の教授であるマルヒトッヒ・フリードリヒ氏は「今回の襲撃は昨今急速に広まった砂漠緑化活動により、住処を奪われたと感じたファイオンが報復措置を行なったのではないか」と分析する。

襲撃時、イグルボナ市は毎年1月31日に行われる星屑祭の真っ最中であり、多くの人が訪れていた。治安維持局、災害対策局の話によると、突如として現れたファイオンが街を焼き始め、パニックを起こした人々が街に溢れかえった結果二次災害が起こり、被害が拡大したとのことだ。

現在、元凶であるファイオンは捕獲され、この事件は解決されたが、治安維持局巨獣対策課に所属するバヤルド・グリーデマン氏、ロッド・スキマーニ氏の2名と災害対策局火災部に所属するホーネット・ヤードラ氏の計3名が殉職した。また、バーデン国は犠牲になった人々の慰霊祭を2月12日に執り行う予定だ。

なお、国際環境保護連盟は今回の件を受けて、砂漠緑化活動団体を認可制にする為の審議とともに、地球環境保護政策の抜本的な見直しを行なっている。

日刊森のアナグマ グリフォン便の今に迫る。

「グリフォン便」、少しばかり割高ではあるがフクロウ便や古来からある煙突便に比べると、配達時間のぶれも無く、また煤で汚れてたりもしないことで人気を博した郵便、宅配方法。

今や宅配業者だけではなく、地方の魔法郵便局ではなくてはならない存在となっている。だがそのせいでグリフォンとその騎手たちは過酷な労働を強いられているようだ。

日本がグリフォン便に使うグリフォンは、メキシコから輸入されてきた多くのメキシカン・ブラックレッグ種と少数の日本原産チャイロタカジシ(英名にするとジャパニーズ・ホークアイ種)によって構成されている。

ブラックレッグ種は、大きい体と太く黒い足が特徴的なグリフォンであり、その体の大きさを生かした宅配が主となっている。

一方で、チャイロタカジシは、数百メートル下の獲物さえも見えるという優れた視力、急降下して獲物を狩るために必要な小さい体、その体を包むような特殊な翼のたたみ方をするグリフォンで、こちらは主に郵便を担当している。

どちらも優れたグリフォンで、時には人間を日本の南の端から北の端まで運べるほどの持久力も持ち合わせているのだが、その持久力でもさえも参るくらいの仕事量が押し寄せているのが現状なのだ。

「グリフォンたちも休憩なしで働きづめです。私たちと同じく日に三食は必要なのに、昼食は飛びながら鼠を数匹というありさまで、中には食べられない子もいます。また騎手たちも地面に降りたら走って荷物を届けてまた駆け足でグリフォンに乗ると急上昇。昼食昼休み返上で働いており、空にいる時間の方が多いこともあります」

そう語るのは魔法郵便局に勤める、高鷲元博さん(32)である。彼はグリフォンの乗り手であり、この業界に入って12年目となるベテランだ。

「また、魔法生物の規制が厳しい日本では、グリフォンに乗るために様々な試験を受けなければなりません。これが人数不足理由の一つでもあります。さらに多くのグリフォンは一度乗せた相手以外の者を乗せたがらないという習性も相まって、グリフォン自体の数も少ないのです」

空を飛ぶ魔法生物の騎乗は、外国では基本的に「飼育許可証」と「飛行魔術の免許証」があれば許可される国がほとんどだ。しかし、日本ではこれに加えて、「日本魔術教会飛行技術検定の二種以上」「国家資格である飛行通信魔術士」の資格が必要であり、かなりの努力が必要となる。これが、グリフォンの騎手不足にそのまま直結しているのだ。

またグリフォンの方も、最初に自分に乗った人間以外が背中に乗ろうとするのを嫌い、騎手が自分以外のグリフォンに乗ろうとすると激しく嫉妬するのだ。なので他のグリフォンに代わる代わる乗るということもしにくい。

「これではグリフォンか、騎手か、どちらかが近いうち墜落することになります。サービスが向上することは良いことだが、それを支えている動物たちのことも少しだけ考えてほしい」

そういって心配する高鷲さんの目もまた疲労の色を隠しきれていなかった。

確かに便利で、安全なグリフォン便。今ではその日に配達を売り文句にする配達業者もあるが、会社の信頼が地に落ちる前に彼らの墜落を危機を止めるべきであろう。これ以上彼らの悲報を記事にしない未来を祈りつつ、鉄の鍋蓋銀行頭取ドワーフ、石中正弘氏の名言を引用してこの記事を終わりにしたい。

たまたま洞窟でミスリルを掘り当てたからと言って、その穴全てを掘るべきではない。眠る悪鬼が目を覚ます。

日刊森のアナグマ ライター 御手洗団子

ウロル国のパスダーピナ幻獣園、世界で初めてユニコーンの繁殖に成功

先月27日、ウロル国にあるパスダーピナ幻獣園でユニコーンの赤ちゃんが誕生した。

ユニコーンは、その希少性の高さから剥製目的で乱獲され、現在は大きく数を減らしている。そのため、様々な機関がユニコーンの絶滅を回避しようと研究を重ねているが、今回の件がそれらを大きく前進させることは間違いないだろう。

ウロル国立メルカヒルド大学幻獣学部の教授マルヒトッヒ・フリードリヒ氏は「ユニコーンの繁殖方法は長らく未知の領域だった。今回の記録は非常に貴重なものであり、必ずやユニコーンを救う鍵になる」とコメントした。

また、パスダーピナ幻獣園のユニコーン担当飼育員は「出産日前は心配で仕方なかったです。ユニコーンの出産は初めての連続で……。でも本当に無事に産まれて来てくれてよかったです。ある程度大きくなったらお披露目も考えていますので、ぜひ見に来てください!」と目頭を熱くして語っていた。

パスダーピナ市ではすでにユニコーンの赤ちゃんに乗じたグッズが展開されており、ユニコーンの赤ちゃんの市場効果への期待は高まっている。

パスダーピナ幻獣園のユニコーン親子は今月末までは休養させ、その後、状態をみて一般公開される予定だ。