ギョット県立魔法生物保護施設(以下『保護施設』)の従業員、ケイパー・アヴィド容疑者(33)が、保護飼育中の魔法生物数十体を複数の市場に横流ししていたことが、捜査関係者への取材で明らかになった。ギョット県警は、アヴィド容疑者が数年に渡り犯行を続けていたと考え、捜査を進めている。
「一定周期で生じる『民族料理ブーム』による食材としての魔法生物の需要に目を付け、犯行に及んだのではないか」と、ウロル国立メルカヒルド大学経済学部の准教授であるメニエ・ゴルトミュンツェ氏は分析する。
この捜査によって、能力を使って消失・脱走した生物に対する保護施設の杜撰な対応が明るみに出た。また、事件を受け、県内各地で魔法生物愛護団体によるデモ活動が発生しており、全国的に波及することを懸念する声もあがっている。