今年で第3次を迎えたカラスク皇帝陵の発掘調査は、ついに主体部の解明に及んだ。
カラスク皇帝陵は、4000年前に北方アドラスに存在した大帝国“エラム帝国”を築いたカラスク・エラスムス帝の墓と考えられており、全長211mの巨大墳墓だ。盗掘を受けておらず、初期魔法時代における地域支配についての成果が期待されていた。
主体部は、墳墓北寄りの中央に竪穴式の石室として存在しており、中には豊富な石製の棺とともに豊富な副葬品が見つかた。それらは発掘を主導したエドルシア博物館で調査が進められている。
同館によれば、副葬品の中には簡易的な初期魔法道具が複数含まれていたという。そのひとつが炎と風の二属性を込めた青銅製の剣で、当時の技術水準の高さが見てとれる。いまだ謎の多い魔法道具の製造技術の起源について、新たな考察が望めそうだ。
教授のライア・サトラ-氏は、「カラスク皇帝陵は、他にも前期エラム朝の良質な資料を含んでいる可能性が高い。今回の成果によって彼らが支配に用いたとされる魔法道具の開発、普及について、さらなる考察の余地を与えた」としている。