15歳の人間と34歳のエルフの2人組が、彼らの通う学校のプールの中で意識を失っていたところを、夜間の見回りをしていた警備員の人間に発見され病院へ搬送された。幸いにも2人とも命に別状はなく、意識を取り戻している。
警備員の話によると、学園内を見てまわっている際、探知魔法によって不審者の侵入を知り、急いで駆けつけると2人の少年がプールいっぱいのゼリーの中で溺れていた。警備員はゼリーを削り、中にいる2人の少年を救出して病院に連絡をした。
現場検証によると、少年2人がプールに貯まっていた水をすべてゼリーに変換する魔法を用いたことが明らかになった。プールの水をゼリーに変換した後に2人で乗って飛び跳ねていると足場が崩れて沈んでしまい、底に頭をぶつけて意識を失ったようだ。意識を取り戻した少年たちに事情を聴くと「プールの水をゼリーに変えたかった」「ゼリーにしたら弾んで遊べると思った」と自分たちの行いを認めている。
これらの事情を警備員に話すと「ゼリーに指を強く刺したら貫通するのが当たり前。ゼリーを大きくしてもかかる力が指から人体に変わったら沈むに決まってる」と呆れ混じりに語っていた。また、ゼリープールは職員たちの手によっておいしく処理された。
この2名には2週間の停学処分がくだされた。見通しは甘かったが、現実はゼリーのように甘くはなかった。