異世界転生を偽造か ダンジョン経営者が誘拐容疑で逮捕

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毎年人間界各地で多く発生している『神隠し事件』について、魔法界から異例の逮捕者がでた。 逮捕されたのは地方のダンジョンを経営するヴィリ容疑者(224歳・ハーフエルフ)とその娘のアリ容疑者(107歳・同上)。それぞれ誘拐罪、結婚詐欺罪で捕まった。2人とも容疑を認めている。調べによるとヴィリ容疑者は『ダンジョンの挑戦者が減ったため、人間をさらって挑戦させていた』とのこと。

調査によると、ヴィリ容疑者は数年に一度、休暇の合間に人間界へ行き、適度に人間界に不満がありそうな人間を若者中心に攫っていた。その後、錯覚魔法をかけた被害者を娘のアリ容疑者に会わせて『あなたは異世界転生をして勇者になった。娘のアリと共に魔王を倒して欲しいが、レベルが足りないのでまずはこのダンジョンに挑んで欲しい』と言っていたという。また、アリ容疑者の方はダンジョンで稼いだ人間と結婚を約束し、大量の金品を自分に買わせた後に失踪することを繰り返していた。

ヴィリ容疑者の経営するヴィルヘルム中難易度ダンジョンは、近年質のいい人間が挑戦しているということで主にオーク族・竜人族の間で大きな話題になり、敵役の参加者も増えていた。 逮捕時にダンジョンに挑戦していた人間は捜査班に対し『信じられない、自分は選ばれて転生したと聞いていた、お前たちは魔王の手下で自分を騙そうとしているに違いない』と述べ襲いかかってきたため、拘束された。特級記憶消去魔法をかけられた後に人間界に返されるという。

ヴィリ容疑者が『近隣の村と協力して他のダンジョンにも挑戦させていた』と供述しているため、余罪や関係者の調査を進めている。

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