『魔力飢餓病』に注意喚起。政府による定期喧伝

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全国で長年に渡り問題視されている魔力飢餓病。魔力の根幹となる精神力が枯れてもなお魔法を使い続けることが原因であると指摘されている精神疾病だ。年々、若者を中心に患者が増加傾向にある。

魔力飢餓病になると魔力の枯れている状態が続き、思うように魔法を使えなくなる。魔法が使えなくなることにより、主には日常生活に支障を来たすようだ。更には精神力も損なうため常に不安を感じてしまい、学業や仕事も手につかなくなるという症状が恐ろしい。まるで人の心に住み着き魔力を喰らう魔物である。

昨日午後、政府は「不安感や焦燥感を覚えたら、直ちに魔法の使用を中止してほしい。魔力飢餓病への対抗策は未だ見つかっていない」という旨の発表を行った。これからも魔法の使い過ぎには充分な注意が必要である。

この発表に対する街の人々の反応は様々だ。

「怖い。魔法がなければ生きていけないわ」
「使い過ぎなければ問題ないとはいうが、冒険者はそうも言っていられないんでね」
「精神疾病を恐れるなんて、瞑想もできないのかしら? 初等部で教えられているはずでしょう」

レスターク帝国所属、イソル国の冒険者ギルド長にも意見を伺ってみたところ、

「そういう者は出ていない。ウチには益荒男しかいないものでね」

と快然な様相を見せてくれた。冒険者の発病が懸念されていた魔力飢餓病だったが、冒険者達は精神面でも打たれ強いようだ。

これからも、私達は魔力飢餓病を恐れながら生きていくことになるのだろうか? 不安の声は依然として募るばかりだ。

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