新型トイレ導入で学内紛糾 – アトス大

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王立アトス大学では、新型トイレ導入をめぐる対立が激しさを増している。近代魔術学部学長のズゾパヌル・ウャ教授(83)は、評議員会と理事会で新型トイレ設置の承認をもぎ取った。しかし反発した一部の教職員側がズゾパヌル教授に呪いをかけるなど、抗議を続けている。背景には、神秘学部の主導する神学的な対立があるようだ。

左:旧型/右:新型

「近年、尻尾のある種族や多脚型の学生が増加している」「多様な学生に配慮した、使いやすいデザインであるべきだ」

先月67日に開かれたアトス大の評議員会では、新型トイレの導入をめぐり朝まで激論が交わされたという。関係者によると、評議員37865人の投票で、選任案賛成は委任状を含め過半数を超える19865票。続く理事会も「評議員会の判断を尊重する」などの意見が多数を占め、新型トイレは順次導入されることに決まった。

そこに待ったをかけたのが、フル・フルチ名誉教授(509)率いる神秘学部の講師陣だった。フル名誉教授は19年前まで教皇庁直轄の異端審問所に籍を置き、現在も聖キャベツ派の最右翼として知られている。
「元・異端審問官として、伝統を破壊するような蛮行は見逃せぬ」
そう叫ぶフル教授は、素手で新型導入派の職員を薙ぎ倒したという。教授は異端審問官時代は暗殺部門一の使い手として鳴らした武闘派。新型トイレ導入派の職員は、首をはねられる等の重軽傷を負った。

フル教授ら神秘学部の講師陣は、今も南キャンパス8階のトイレを占拠している。伝統的な異端審問官の黒衣すら脱ぎ捨て、不退転の意志を見せた。

▲(参考資料)異端審問官の黒衣

「まったく、半裸のおっさん達に居座られて、こっちはたまったもんじゃないですよ」
8階トイレ氏自身が困惑の表情でそう語った。
「なんでもいいから、トイレで流血沙汰はやめてほしいですね。流すのは紙だけにしてほしいです」

新型トイレに改装予定だった8階トイレ氏本人は、図らずも新旧の対立に巻き込まれた形。新型トイレを巡る紛争は、今しばらく続きそうだ。

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