空を翔ける「痛み」 唱え継がれる愛のまじない
第115回全国ペインペインゴーアウェイ選手権オリエント大会は11日、ウェルスマウント県ゼンデン市のハンゴンタン競技場で男女計8種を行った。女子ペインペインゴーアウェイ(以下PPGA)フリースタイルはメディケ・マンマクラーレが3,143kmで優勝。昨年の3,142kmという記録を自ら更新し、二連覇を達成した。
「呪文発祥の地であるオリエントで、満足のいく結果を出せて本当に嬉しい。このままでは私も飛んでいってしまいそう」とマンマクラーレは破顔し、記者団に語った。
かつての極東古代呪文のひとつ「痛痛飛行」というまじないを、治癒呪文として確立させ、競技化したのがこのPPGAである。
閉会式では、県PPGA連盟のカケバ会長、東方見聞社のカベニミ・ミアリ宣伝局長とショウ・ジニメアリー営業局次長らが「鍛錬を積み、また来年も怪我と誤射に気をつけながら力強い呪文を見せてほしい」と激励した。
大会の目玉となるか PPGA団体形
昨年新設されたPPGA団体形では、開催地であるウェルスマウント代表が男女共に優勝した。治療魔術に長けた種族を先祖にもつ彼らの強さは、やはり半端ではない。
この団体形は、3人で1チームを構成し、一つの形を同時に実演する。個人形同様に飛距離・正確さ・スピード・治癒力がその技術の合理性に適っているのかを競い合う。特に全員が息を合わせ、同じ形として呪文を唱えるため、その同調性が重要となってくる。パフォーマンス性も高く、大会の華と呼ばれる日もそう遠くはないだろう。
まだまだ競技としての歴史は浅く人口も少ないが、老若男女が親しめる競技として更なる発展が期待される。
※大会で使用された痛みは、運営局が責任を持って回収済み。