”闇にとけこむ”がブランドコンセプトの「サマル (samar)」が、2019年の春夏コレクションを、現地時間6月23日17時過ぎにレーヴァ国で開催した。
メインデザイナーのルナリア・キャラウェイ移籍後初のコレクションということで、注目度の高い今期。ショー会場は、レーヴァ国随一のファッション特区レビアカヌラ市魔法騎竜警察兵舎。
三日月の下、空中に設営されたテントの中央には、夜会をイメージした巨大な漆黒のシャンデリアが用意され、会場は約3万本のハイドランジアの花々で彩られていた。
ファーストルックは、シュバルツレーヴェのファーを模した漆黒のセットアップ。風にそよぐ透ける素材のオプションマントやショート丈のボトムスなどクリーンでユニセックスに利用できる軽やかなルックは、フロントローのエルフ族から熱い視線を浴びていた。
中盤にはサラマンダーのウロコを花弁に見立てたフラワーモチーフのフルスカートが鮮やかな印象を残した。
初登場となる、箒の柄までトータルコーディネートされたダークラミアのエクスヴィアカバーや、ビルドアップチャームに”ビー”(蜂)のモチーフが有名な「アパースノスチ」のレーヴァ国第一級魔法危険物取扱士ソラリア・デナンガンが手掛けたスフィアナイトのジュエリーなどが加わり、ワイルドさの中に知性を感じる夏の魔法使いの装いが披露された。
全30体から構成されたコレクションでは、ルナリア・キャラウェイが解釈する「野生に包まれた知性」を表現したという。月光に舞うハイドランジアの精霊からインスピレーションを得て、女性的なクチュールのアイデンティティーを現代的なマスキュリンの文脈に落とし込み、前デザイナーのアーカイヴから着想を得たというブランドならではのサバトモチーフが数多く反映され、呪術行使の効果効率も高めている。
また、ユスティア王立大学魔術科マギデザイン研究室との共同研究チームの成果として、原色のアイテムに彩度調整魔法陣を反映し、真夏の日中から闇夜までオールタイムマッチのルックが最後を飾った。
会場には8,000人以上のゲストが箒来場し、先日、ニーニャ・ヌーニャ国境を騒がせた魔術牛の良質な皮革を原資に立ち上げた「ガリゼルトン」で自身もデビューコレクションを発表した両国王や、前任のセバスチャン・ドラコ・アッシュ、そしてタール・ダークフェルド、「SEIMEI ABE」の阿部晴光、「アンダードラフト」の低田賢三といったデザイナーなどが、フロントローでルナリア・キャラウェイの新たな門出を見届けた。
サマルコレクション、毎回デザインに圧倒されるんだけど、今年はガリゼルトンに意識を全部持っていかれてしまった……。あの魔術牛、テレポート覚えてたけど、革になってまでテレポートしないですよね……?