魔法建築家、ラク=ン・グリーンフィールド氏が設計、建築指揮を行なった<メンド・クサ>が競売にかけられている。
<メンド・クサ>は特定の条件を満たすことによって、“発生する”家であり、地元では「築5秒の家」と呼ばれている。
この家が現れる予定の土地の中心には、大きなくぼみがある石柱が立っている。そこに人魚のレリーフを埋め込むことによって、<メンド・クサ>は発生する。このレリーフは7分割された状態で、設計当初から世界中に散らばっており、家に入るためにはこれを集めなくてはならない。
1 駅の近くにある道具屋の店主に暗号を話し、ダンジョンの場所を話してもらう。
2 ダンジョンの迷路を突破し、主のトゲトゲ・ドラゴン(一般的な成人男性より少し強い)を倒す。ここではレリーフの欠片は手に入らない。
3 トゲトゲ・ドラゴンの鱗を道具屋の店員に、『ガレー船の設計図』と交換してもらい、港の造船場で船を造ってもらう。
4 ランド島へ移動する(この島も魔法で発生しており、造ったガレー船で移動しないと見つからない)。
5 ランド島の住民と半年間共同生活を行い、打ち解けてからそれとなくレリーフの欠片の場所を尋ねる。それとなく尋ねないと殺される。打ち解けてない場合ももちろん殺される。
6 ランド島にある森の奥にあるダンジョンを踏破し、主のトゲナシ・トゲトゲ・ドラゴン(一般的な成人男性2人分くらいの強さ)を倒す。ここでレリーフの一欠片が手に入る。
7 ドラゴンはランド島の守り神なので、住民が激怒する。
以上が明らかになっている工程である。これは3番目の所有者であるカネモチ氏に同行していた傭兵からの情報で、彼はランド島から命からがら脱出に成功した。以上からわかる通り、レリーフはまだ一欠片しか発見されていない。
カネモチ氏はランド島周辺の海域で遺体で発見されており、<メンド・クサ>は遺族によって競売にかけられることになったという。