覚醒申告自動補助術式を導入 手続き簡略化進む

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毎年山羊の月になると、「覚醒申告」の文字が目に入るようになる。

覚醒申告とは、体内の魔素分泌量が一定量を超えた場合に必ず行わねばならない申告手続のこと。

しかし、魔素分泌量の計測や詳細な使用用途の記載など、覚醒申告の手続きの難解さゆえに世の魔術師たちの悩みの種となっている。

そこで今年、魔導通信掲示板『アラクネット』において、覚醒申告の書類作成を補助してくれる自動術式の運用が開始された。

術式が提示する質問に順番に答えていくことで、自分が覚醒申告のどの分類に当てはまるのかがわかる上に、設置されたデバイスから魔素分泌量の計測や分泌量が一定量を超えた時期の特定が行える。さらにデバイスがきちんと揃っていれば、その場で書類を印刷することもできるという優れものだ。

自動補助術式の導入により、魔術師達からは喜びの声が上がっている。

「覚醒申告はとてもわずらわしい作業だからね。申告をサボる魔術師とかもよくいるんだ。僕はちゃんと申告していたけど、すごくストレスだったよ。この術式は便利だね。時間の短縮にもなる。政府もたまには良いことをするね」

「俺たちは体は一つなのに2人分申告しなきゃいけないんだぜ? 『そうだ。頭が2つだからな』覚醒申告の時期になるともう毎朝憂鬱さ。コーヒーの味もわからねぇくらいにな。『ハムエッグの味もわからない』アレ(補助術式)ができてマジで助かったぜ。これでゆっくり朝食を味わいながら新聞を読めるってもんさ『俺はマンガを読むぜ』国もたまには役に立つよな」

計測・印刷デバイスの設置は現在ハウザル地方のアラクネットに限られているが、国際魔術機構は2年後に全てのアラクネットへのデバイス設置を完了させることを目標としている。

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