今月27日、音楽に合わせて魔導人形を躍らせ、その美しさなどで勝敗を決める「ドールダンス」の世界大会の予選が行われることが発表された。開催地は、魔導人形の生みの親であるレーツィル・ダウゴ氏の故郷であるロダンス王国。
世界規模での開催は今回で2回目。各国のファンからは開催に喜びの声があがっている。
ドールダンスは、術者の魔法を組み込み思い通りに動かす魔導人形を用いる。
専用の魔法を使用するうえ、人形を買おうと思えば相応の値段がかかる。出場者の中には人形を一から自作する強者もいるが、魔法の知識だけでなく人体の構造についての知識も必要なため初心者は手が出にくい。
難しいといわれているのは、動かすことはできても、それが生き物のような動きを再現できているかは別問題になってしまうという部分だ。特に踊りの美しさや動きが重視されるドールダンスは、精密な魔法操作が必要となる。
しかし、最近では魔法の発展により細かい設定をしなくともある程度は動かすことのできる、半自律型の魔導人形も出てきている。半自律型の登場を受け、ここ数年でアマチュアの大会も増えてきている。
今大会の優勝候補筆頭は、前大会で圧倒的な力を見せつけた、日本という小さな島国出身の二国道成氏。
彼の強みは、日本の伝統舞踊を取り入れたゆったりとした動きだ。意気込みを取材すると道成氏は「伝統と魔法をうまく組み合わせた、故郷の風景や歴史を感じ取れるような踊りをしていきたい。」と答えた。
また前回大会で2位だった開催国であるロダンス王国出身のグラベル・エイリオ氏は「母国での開催であるうえ、前回の悔しさをここで晴らしたい。」と語った。
グラベル氏は二国氏とは真逆のダイナミックな動きを主体としたダンス。この2人を中心に人形使いたちの熱い戦いに期待が高まる。