今年も雨の多い季節がやってきた。
視界が悪くなり、事故も増えるこの時期、注意しなければならないものがもう一つある。
それは、最近この地域でも時折みられるようになってきた極東の妖怪「すねこすり」である。
すねこすりは、極東のとある地域に生息している小型の犬や猫(※通常種)と同等の大きさの生物であるとされ、雨の降る深夜に出歩いている人間の足の間に体を擦りつけていく”妖怪”である。
見た目は犬や猫に似ているとされているが、その生態はまだよくわかっていない。
普通に歩いていたらなにか毛の塊が足を撫でていった、足をこすっていった、という証言が時折聞かれる程度である。
歩きにくくなる以外は大きな被害は出ないが、力の弱い子供や高齢者などはそのまま転倒する恐れがあるため、注意が必要である。
しかしその一方で、すねこすりを一目見たい、触れ合ってみたいという魔法使いが増えており、雨の日の深夜にわざと外に出る人が増加している。
害のある妖怪という訳でもないため、すねこすりを無暗に怖がらせたりしないよう、東洋魔術協会から警告が出ている。