昨日、魔法裁は殺人の罪で起訴されていた魔法芸術家のブチ・ギレ氏に無罪を言い渡した。
ブチ・ギレ氏は、自身の店にやってきたクズ氏を殺した罪で逮捕されていた。
クズ氏は様々な店を訪れては、「お客様は神様だ」などと言って恐喝行為を行なっており、事件のあった日もブチ・ギレ氏の店で同様の行為を行う姿がほかの客に目撃されている。
ブチ・ギレ氏が要求に応じないことがわかると、クズ氏はブチ・ギレ氏が造形した<水晶宮>(水晶でできたミニチュアサイズの宮殿。魔法により中に居住することが可能。製作期間7年)を破壊した。
これに腹を立てたブチ・ギレ氏は、水晶の破片でクズ氏を殺害した。その後ブチ・ギレ氏は自首し、逮捕・拘禁されていた。
判決を下した裁判長は以下のように述べた。
「 人間に不条理な運命を突きつけるのは、典型的な神の特徴。さらにクズ氏は日頃様々な店で恐喝、つまり供物の要求を行ないこれを得ていたので、神であった可能性が非常に高い。
また、警察によるいかなる捜査においても彼が神でないという証拠を見つけることはできなかった。
したがって彼は神。神に人間の法律は適用できず、人権も存在しない。したがって、人権侵害の最たる行為である殺人の罪もブチ・ギレ氏に適用できない」
ブチ・ギレ氏は今月中に釈放されるという。
魔法災害局はクズ氏を邪神の1柱として祀ることを検討している。