魔法使用世界規約~攻撃魔法・対人編~

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初めまして。第一回魔法使用規約についての記事です。

日々魔法について理解を深める親愛なる同志さん方はご存知であろうこの規約。

しかし昨今は魔法を私闘で使用する無法者がでてくる始末……。

対人使用に対してのハードルが低くなっている今、ぜひ今回この機会に「人に対する」魔法の使用について振り返ってみたいと思います。

 

そもそも魔法使用世界規約とは?

魔法が発達してはや1,000年以上。人間が生まれながらにして持っている魔法は、生活のレベルを高め続けてきました。

更には野生動物や魔獣といった人にとって脅威になるものから身を守る自衛のためとしての魔法も生み出されてきました。

そんな中、魔法を使用した戦争が立て続けに起き、魔法研究の最先端であるバベルの学者と各国の王たちは魔法の使用を戦争で禁止する盟約を交わしました。その際、一緒に世界規模で魔法の使用に条件や制限をつけることにしたのです。

それが、現在の「魔法使用世界規約」というわけです。

規約はどうやって決めているの?

最近では、新しくエネルギーを効率的に変換する加工魔法が開発され、注目を集めています。

新たな魔法体系の展開に、研究者たちはこぞって開発者へのアプローチをかけていますね。

さて魔法使用世界規約では、これまで開発されてきた魔法の使用に関する様々な制限を設けています。

魔法が体系化された結果、

  • 生活魔法
  • 加工魔法
  • 狩猟魔法
  • 医療魔法

など、市民のみなさんにもなじみの深い魔法が数多く研究、開発されてきました。

バベルは、上記のような体系化された魔法を分類し、その分類された魔法をそれぞれ使用に関する取り決めを行っています。

その規約の条項の数は現在およそ500を超えました。

これからまだまだ魔法の開発と研究は続いていくので、これからもっと決まりが増えていくことでしょう。

実はない、「攻撃魔法」

実はバベルの定める体系化区分の中には「攻撃魔法」というものはないのです。

これは、そもそも戦争を引き起こすような魔法の使用を禁止するために生み出されたようなものですので、よく考えればわかると思います。

一番攻撃魔法に近い狩猟魔法はあくまでも動物や魔獣を狩る際に使用する魔法となっています。

なので、当然ながら規約には他者に対して傷つける目的で使用することを一番最初の条項で禁止が明記されています。

これは狩猟魔法だけでなくその他の魔法についても同様に明記されています。

 

スポーツ由来?「攻撃魔法」が生まれたわけ

先ほど書きました通り、こと他者への攻撃を前提とした魔法使用に関してはかなり厳重に規制がかけられています。

しかし、昨今は「攻撃魔法」による傷害や殺人などの痛ましい事件の知らせが後を絶ちません。

このような魔法の対人使用についての報道が、「攻撃魔法」と呼ばれ始めたのは、もともとは世界的にも人気のスポーツであるマジックアクトバトルの元選手がコロシアムの外で人に対して魔法を使用したことが皮きりでした。

マジックアクトバトルで使われる魔法はコロシアム内で使われる際、特殊な魔法結解の中であれば派手な見た目を保ちつつ威力がほぼ無い魔法として変換されるため、対人使用でありながらバベル公認の「攻撃魔法」または「演舞魔法」と俗称されました。

そんな魔法を結界の保護のないコロシアム外で使用した時の報道で、「元選手が攻撃魔法で殺人未遂容疑」という題で各国を巡りました。

その結果、使用されたのが競技内で使われる魔法ではなく、あたかも「対人使用を前提とした攻撃魔法」という印象を強く刻みました。そんな勘違いが現在まで続き、攻撃魔法と言われるようになったのです。

要するに覚えていてほしい重要なことは、「攻撃魔法」というカテゴリの魔法体系は存在しないということです。

破ったら即監獄!罰則はどうなっているの?

魔法使用世界規約では何よりも対人使用に関する規則を徹底しています。

特に「他者に対して害をもたらす結果を招く使用は禁止する」という条項が恐らくすべてのカテゴリの魔法に適用されています。

これはつまり、対人使用における魔法を使用する際には魔法の暴走などを含め傷つけてしまった場合、この規約に反するということになります。

傷害を受けた側の被害届がない場合は不問になることが多いですが、そうでない場合は魔法使用を完全に抑える刻印を体に刻まれたうえで、肉体労働などの懲役刑に課せられることが多いです。被害の規模や悪質性次第では、バベルの地下にあるとされる監獄へ収監され二度と出てこられないそうです。

その他、罰金刑や期間限定で魔法使用を制限する刻印付きの腕輪をはめて仮釈放されるケースもあります。

腕輪は指定した期間が過ぎると強制的に外れるようになっていますが、それまでは日常生活で使う簡単な魔法すら満足に使えなくなりますので、非常に厳しい生活を余儀なくされるでしょう。

自衛はどうすればいい?規制の限界

魔法を他者に対して使った際の罰則は前述のとおりです。

本来であれば、規約により他者に対する魔法の使用は厳禁です。なので、このような話はない方がいいのですが、昨今の攻撃魔法の使用に対するハードルの低さから、いつ自分の身に降りかかるかはわかりません。

しかし、仮に攻撃を先に受け自衛のために魔法を使用した場合、どうなると思いますか?

正解は、「どちらも処罰の対象になる」です。

そして重要となる処罰の重さは、魔法の規模、受けた傷害の深さなどで決まります。

ですので、その直前にどのような流れがあったかどうかは処罰には加味されません。

結果、自衛のために使用した魔法のせいで相手よりも重い罪になってしまうという事件も少なくありません。

バベル側もこのような事態に対しての解決案を模索中のようですが、様々な特例を認めると逆に穴が大きくなることにつながることを危惧し、大きな規約の変化をすることができないでいます。

解決のカギは決闘?

人が繁栄を続けて何百年、争いと魔法は切っても切れない関係でした。

この争いの中で、現在使用されている魔法たちの多くは生み出され、世界に浸透してきました。

そんな中、先日6月18日にレ―ヴァ国主催の魔法大会が実施されました。最後にあったのは39年前ということもあり、多くの人が注目していました。

とある研究者グループはこういった大会が原因で、魔法の対人使用を助長するといっていますが、むしろこういった大会に一般の部を設けることで、しっかりとした線引きをすることができるという見方もあります。

特に「どのくらいの魔法が撃てるか試したかった」という供述をする者も多いようなので、今後は試す場所というのも作っていくことも重要でしょう。

まとめ

競技以外での対人使用はダメ、絶対

魔法を他者に対して使用した際の罰則は

  • 罰金刑
  • 懲役刑
  • 無期収監

などが挙げられます。

こうした罰則は自分の生きる道を狭めるには十分でしょう。けれど、なにより罰則があるから、規約で決められているから、という理由だけでなくモラルとして対人使用は行わないようにしましょう。魔法は人を助ける素晴らしい道具ですが、人を簡単に殺してしまえる使い方もできてしまいます。

先人たちが教訓として残してきたものをまとめたものがこの「魔法使用世界規約」です。

その思いを無駄にしないよう、対人使用は決してせず、モラルに則った魔法使用を心がけましょう。

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