史上最年少のドラゴン遣い誕生 “最凶”のドラゴンを手懐ける

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

魔法使いとドラゴンの間で発生した大規模な戦争の影響で一時荒れ果て、最近復興を果たしたばかりのタルムの森で先日、驚くべき出来事が起こった。

「息子が大きな金色の卵を持って帰ってきたときは、本当に驚きました。危険だから捨てるように言ったのですが、言いつけを破ってずっと隠していたみたいで……」

戸惑いを隠しきれない様子でそう語るのは、先の戦争で多くのドラゴンを討伐した英雄、ジャネットさん(32歳)だ。彼の一族は古くから凶暴なドラゴンを討伐し、魔法界の平和を守ることを生業としてきた。

そんな中、彼の一人息子であるオリバー君(6歳)が驚くべきことを成し遂げた。我々魔法族を脅威に晒してきたドラゴンの中でも「最も危険」と言われるアルファルド・ドラゴンの卵を孵し、手懐けることに成功したのだ。

「名前はヴィーっていうんだ。もちろん僕が名付けました。ヴィーは甘えん坊で、いつも僕にくっついて離れないんだ。僕たち、とても仲良しなんだよ」

そう語るオリバー君の腕の中で、ドラゴンの子供が丸まって眠っていた。

この出来事は魔法生物学会に大きな衝撃をもたらし、多くの魔法生物学者たちを震撼させた。世界的権威とも言われるランドン・アンダーソン博士(156歳)は「今まで多くのドラゴンを研究してきたが、人間の腕の中で眠るアルファルド・ドラゴン種というものは見たことがない。この種はドラゴンの中でもとても凶暴であり、それ故に研究データもとても少ない。今回の一件で、魔法族とドラゴンの関係に大きな変化が訪れるだろう」と述べている。

長年争いを続けてきた魔法使いとドラゴンの間に、革新が巻き起こるかもしれない。小さなドラゴン遣いの誕生に、今後も目が離せない。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*