“ドラゴンモドキ”、実は本当にドラゴンだった

本日、世界ドラゴン研究機構は、ドラゴンモドキの1種である『ハネアリハネナシドラゴンモドキ』として竜族館・百景島リュウパラダイスで飼育されていた一部個体が、研究の結果、新種のドラゴンである事を突き止めたと発表した。

同機構の発表によると、名称は『ハネアリハネナシドラゴンモドキモドキドラゴン』となる予定で、広報部長のガリョウ氏は

「我々にとって新種の発見は大変興味深く、喜ばしいニュースでした。これから全世界の人に『ハネアリハネナシドラゴンモドキモドキドラゴン』の名が知れ渡るよう、尽力していきたいと思います。しかし、当面は『ハネアリハネナシドラゴンモドキ』と『ハネアリハネナシドラゴンモドキモドキドラゴン』との相違点を知ってもらう為の工夫も必要だと思います」

と語った。

尚、同種を飼育する百景島リュウパラダイスでは、これからも『ハネアリハネナシドラゴンモドキ』と『ハネアリハネナシドラゴンモドキモドキドラゴン』は同じスペースで飼育していく予定だとしている。

不確かなドラゴン (Phantdracoidae科)

王立魔法生物学研究所(王魔生研)の朝倉です。

突然ですが、クイズです。

ドラゴン学において、もっとも研究が難しいドラゴンとは、どのようなドラゴンでしょうか?

おそらく夏休みの自由研究なのでしょうか、王魔生研にもこのような質問がやってくる季節になりましたので、お答えします。

答えの前に、ドラゴンの研究を難しくする要因を考えます。

  1. 発見が困難な種であること
  2. 気性が荒い種であること
  3. 存在が不確かな種であること
  4. 生活環境が非常に厳しいこと
  5. 仲間を助けようとする他のドラゴンへの対処が必要なこと

などが挙げられます。これらの要因で、研究を一番困難にするものはどれでしょうか。

世界の果てに住むドラゴンなどは生活環境が厳しく、一種一個体しか発見されていないものもいますが、発見自体は難しくありません。

気性が荒い種の生活を観察することは、難しいですが、死後の個体などを入手できないわけでもありません。

同様にドラゴンの生活環境が厳しい場合、飼いならすことは難しいですが、自然の中でのドラゴンの観察は、十分な準備があれば可能です。

そして採取した卵に対する反応など、たいていのドラゴンは仲間を助ける意識が強いため、特定の種において、ドラゴンの対策が必要というわけではありません。

概念上のドラゴンを除いて一番難しいのは、存在が不確かなドラゴンです。

特にPhantdracoidae科のドラゴンがそれにあたります。それどころか、この科のドラゴンは存在そのものが疑問視され、議論が絶えません。他の魔術的な要因が、ドラゴンのような幻影を見せているのではないか、という議論はおいて、現在、目視による観察と、この科のドラゴンが残した痕跡を基に研究が進められています。この科のドラゴンに共通する大きな特徴は、触れることができず、映像や写真に残すことができないこと、さらに、遠くから観察すると大きく見え、近くで観察すると小さく見えることです。

今回は、その中でも研究の進んでいる2種について紹介します。

 

Phantraptor incertus

この種は、主に群れを成して生活しており、牧畜を襲ったり、大型の草食獣などを捕食したりしています。羽は生えておらず、地上を二足で走るしなやかな体をしています。

しかし、その体の半分は抽象化されたようにのっぺりとしており、歯なども顔の半分にしか存在していないように見えます。また、全身がねじ曲がって見え、後肢は左右で交差しています。尾も同様にねじれて垂れ下がっているため、体長を目視によって測定することは難しかったのですが、残された爪痕や歯型、多くのスケッチなどを基に、約1.2~1.5メートルだと考えられています。

このP. incertusは、100メートルほど離れたところから観察すると、体長が約5メートルほどに見えますが、1メートルまで近づくと、体長は約30センチほどに見えます。

また、P. incertusの鳴き声は、ヤギを絞め殺した声と言われるほど不気味であり、死を告げるドラゴンとしても有名です。

 

Irregula regula

この種の一番の謎は、出現するのが孤島に限られ、しかも単独であるということです。I. regulaは、5メートルほどに近づくまで視直径7.2°の大きさを保ちます。そのため、1キロほど離れたところから観察すると、体長が約250メートルほどに見えます。I. regulaが残した爪痕や、歯形などからは、体長約15~20メートルほどだと推測される一方で、1キロメートル離れた地点で観察した際のI. regulaが歩行すると、ひと足で木々をなぎ倒すのが観測され、実際に足跡を確認できることから、P. incertusとは異なり、体サイズが可変であることが知られています。

また、P. incertusと異なり、I. regulaの体はねじ曲がっていませんが、頭の上半分どうしが合わさったような一対の上あごをもち、左右対称の頭が地面に平行に存在するため、通常のドラゴンなどと比較すると、顔を90°ひねって鏡写しになったように見えます。

I. regulaも羽を持たず、後肢による二足歩行をしています。そして、捕食するのは比較的小さな草食獣で、噛みついて丸のみにします。I. regulaは出現した孤島の小型~中型動物を食べ尽くすと、いつの間にか消滅している、という性質を持つため、同一個体が孤島間を転移していると考えられていますが、実証が難しく、不明なままです。

このI. regulaは、絶滅の危険がある動植物を荒らす暴君として、孤島の動植物保護団体からは半ば災害のような扱いを受けており、その美しい鳴き声にも関わらず、大変不人気なドラゴンでもあります。

【注意喚起】ショックバトンにご用心

王立魔法生物学研究所(王魔生研)の朝倉です。

海、山、川、魔界、天界などの自然に触れるレジャーは楽しいものです。

特に南国の、河口からジャングル内の川を遡上するツアーなどは、普段図鑑などでしか見ることのできない魔法生物に触れる大チャンスです。

そんな旅行に際して、王魔生研より注意喚起をいたします。

ショックバトンの誤用にご注意ください。

ショックバトンは、電撃魔法と衝撃波魔法を、害獣対策用に特化させて組み込んだ杖です。最近、効率化や安全対策の向上が重ねられ、とても便利になってきていますが、毎年悼ましい事故が発生しています。特に、安全対策が甘い、旧タイプのショックバトンでの事故が多く報告されています。

それは、マッドカッター (Novacula tenebra) と呼ばれる、手のひらサイズのカニのようなエビと関連した事故です。
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魔法を禁止されていた少年が魔力アレルギーを発症、行方不明に

昨夜、プロティリング家の御子息であるレギタン=プロティリング氏(16)の誕生日パーティーが催された。

プロティリング家では16歳以上でなければ魔法を使用できないという独特の決まりがあり、レギタン氏は魔力を帯びた物に触れることも叶わず、頻繁にそのことについて不平を漏らしておられた。

パーティーでは、レギタン氏は「今日で16歳になってやっと魔法を勉強できる」と興奮なさっている様子だった。

しかし、贈られたプレゼントの1つに魔力で動く人形があり、それに触れた途端にレギタン氏は悶えながら倒れてしまわれた。

レギタン氏はすぐに病院に搬送されたが、治療室内でショックを起こし、突如医師の目の前で消失。至る所で、レギタン氏と思われる少年が突然現れて消えたという。その中には、病院から230km離れた場所での目撃情報もあった。

レギタン氏の目撃情報は、彼が病院で消失してから約一時間後のものを最後に途絶え、以降レギタン氏は現在も行方不明である。

病院の院長はこのように証言する。

レギタンさんの症状は、最近増えてきている“魔力アレルギー”の症状そのものでした。

しかし、あれほど重篤なものは見たことがありません。

搬送されてきたレギタンさんは身体中に鳥類の羽毛や、爬虫類の鱗や、獣の牙のようなものが生えていて、彼が叫び声を上げると強力な魔力波が発生して看護師たちを吹き飛ばしました。

そばに置いてあった医療器具は空中を飛び交ったり、グニャグニャに変形したり、虫に変身したりしました。

レギタン氏が消失したあと病院内を清掃していると、病院の間取りが大きく変わっていることに気づきました。滅茶苦茶に増築を繰り返したように、謎の部屋や廊下が増えていたんです。

千里眼持ち、魔術師、占術師による大規模な捜索が休みなく行われているが、未だ手がかり1つ見つかっていないという。

新しい情報が入り次第、記事でお伝えしようと思う。

異界へ繋がる可能性 異常な鏡に注意喚起

「鏡に自分が映らない」「鏡に知らない景色が映っている」といった通報が、先月末から各異界で多発している。

原因とみられているのは、ウェールフビヤンド界で発売中の魔道具「マジックミラー」の自動術式更新だ。

マジックミラーは、所有者同士がマジックミラーをリンクさせ、離れていても顔を見ながら話すことができる手鏡のような魔道具。今回の術式更新では、鏡にものを触れさせ、話している相手に贈ることができる機能が追加された。

しかし、自動更新された術式に問題があり、マジックミラーが意図しない鏡とリンクしてしまう不具合が頻発。急激に増加した魔道具等の盗難や紛失、ヒトを始めとした生物の失踪も、今回の不具合の影響を受けている可能性がある。

また、マジックミラーは時空の違う世界の鏡にまで干渉している。ウェールフビヤンド界では各地で「魔法を知らない」ヒトが相次いで見つかっており、国際治安維持部隊は異界人の保護を優先しつつ、同時期に他の世界で発生した紛失・失踪について調査を進めている。

Maho ONLINEは、多次元超越集約型ニュースメディアとしてウェールフビヤンド界国際治安維持部隊から協力要請を受け、マジックミラーの問題について広く情報を発信する。

鏡に知らない景色が映っている等の現象が起こった場合、鏡には近寄らず、「縁切り」呪文や「解呪」呪文で対処してほしい。

魔法が得意でないヒト、あるいは「魔法を知らない」ヒトにおいては、Maho ONLINEへ情報提供をしていただければ、ウェールフビヤンド界国際治安維持部隊が順次対処していく。

誤ってウェールフビヤンド界へ入ってしまった方は、国際治安維持部隊の最寄り拠点で保護を受けられる。

なお、元の世界へ戻ることができるのはマジックミラーの不具合が修正されてから。販売元のMirage me(ミラージュ・ミー)によると修正完了時期は不明であり、今後も同様の不具合が発生する可能性が高い。

史上初の「絵画魔法化」で絵画猫の大量召喚が発生

アーティセンナ美術館に展示されている絵画が魔法暴走を起こし、初めて「絵画魔法化」が確認された。

魔法暴走を起こしたのは、それまで絵画魔法ではないとみなされていた絵画『猫の集会』。多様な猫が庭でくつろいでいる様子がのびやかに描かれ、猫派の魔法使いを中心に人気の絵画だった。

『猫の集会』に描かれる主なモチーフは猫で、絵画魔法に必要な複数のモチーフや、属性を決定する統一された方向性がなく、絵画魔法師が「魔法陣のようなものを読みとれない」と結論付けたものだった。

今回の絵画魔法化、及び魔法暴走では、『猫の集会』を中心に猫が“湧きでてくる”現象が確認された。現在はレイラインの影響が薄いメンナ絵画魔法研究所に移され、魔法暴走は沈静化している。

湧きでた猫は「紙のように軽く、画材特有の匂いがした」と、魔法暴走に遭遇し事態の対処に協力した観覧客は語る。

メンナ絵画魔法研究所の発表によると、『猫の集会』の魔法暴走は別地点、あるいは別時空に存在する猫を召喚するものではなく、絵画と同じ素材でできた“絵画猫”を生成するもの。一連の騒動で絵画魔法師の管理外へ出てしまった絵画猫がいる可能性もあり、メンナ絵画魔法研究所は魔法使いへ回収を呼びかけている。

また、今回の絵画魔法化について、絵画魔法研究家の『花の帽子飾りをつけた若き魔女』氏は以下のようにコメントしている。

「『猫の集会』とても穏やかな絵画。絵画魔法になったのは、絵を見た人が抱いた感情が絵画に集まったためでしょう。癒されたい、猫と触れ合いたいというような感情に応えようとして、今回の魔術暴走に繋がったのでは」

このコメントを受け、アーティセンナ美術館は魔法暴走の再発防止策を提示。現在公開中の一部絵画について、『花の帽子飾りをつけた若き魔女』氏の協力で聞き取り調査を行うと発表した。

気まぐれ魔導書レビュー(マジックマーケット編)

瑞々です!

暑さもますます厳しくなってきましたが、皆さんしっかり耐えてますか?

自分は休みの日でも氷魔法が調節されているところを探して外に出歩くようにしてます。

最近やっぱり気候おかしくなってません?

水魔法使うとぬるま湯が出てきません?

自分の魔法の鍛錬が足りないだけ?

……そんなことはさておき、

自分のような魔導書界隈の端くれにいる者にとっては、この時期の風物詩ともいえるイベントが近づいてきました。

「第163回マジックマーケット」!

半期に一回開催されるマジケ。M163となる今回も、いろんな意味で熱いことになりそうです。

こんな記事を読んでる物好きの皆さんなら、今更マジケの説明なんて不要だと思いますが、この時期のマジケは、命に関わるレベルでやばいので、注意喚起もかねて。

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アトミカ族の女性 政府へ届け出をせず無断で死亡

牛の月16日未明、フラミア半島北部において大規模な爆発が起き、爆心地から半径約1.2kmの範囲が焼け野原となった。この爆発による死者は出ていないが、爆風で飛散したガラス片や木片などで60人余りが負傷した。

爆発の原因は、身体の80%が熱エネルギーで構成されていると言われる『アトミカ族』の女性 プロメット=ウラドゥムさん(200036552) が死去した際のエネルギー拡散と判明。

アトミカ族は死が近づくと身体が中心の一点に向かって徐々に収縮していき、死亡時に膨大な熱エネルギーを発散して消滅する。

そのためアトミカ族は身体の収縮が始まってから10日以内に、自分が存在している場所から最も距離が近い国の行政機関に『死亡前報告書』を提出しなければならない。

しかし、プロメットさんはこの死亡前報告書をどの国の行政機関にも提出していなかった。

プロメットさんが報告書を提出しなかった経緯は不明である。我々は彼女と5000年来の友人であったデーモン族の女性 殲滅のエルダールさん(7231)に話を聞いた。

あいつは自分の死に場所を自分で選びたかっただけだ。さぁ帰れ。親友を亡くしたばかりの悪魔にこれ以上何か聞くならここをお前の死に場所にしてやる。

フラミア自治政府は現在アトミカ族の死亡前報告を徹底するよう国際緊急事態対策機構に訴えている。

研究中間報告 ドラゴンが卵生を選択する理由

王立魔法生物学研究所(王魔生研)の朝倉です。

古来より根強い人気があり、それ自体でひとつの学問体系を成すドラゴン学(Dragonology)。

今回はドラゴンが卵生を選択することについて、新たな知見が得られたため紹介します。

ドラゴンの卵。初級錬金術の教科書でも紹介される最高の魔法触媒のひとつであり、同時に、採取においても最高難度の素材であることが知られています。昨今のドラゴン飼育法の改善にもかかわらず、いまだ天然のドラゴンの卵が効能においても最上であることから、高額で取引され偽物も多く出回っています。

さて、このドラゴンの卵に関して、このような疑問を持ったことはないでしょうか。

“卵で生まれてこなければ、盗られることもないのに”と。

ドラゴンの生態の多くは謎に包まれています。群れを成すものから単独生活を行うものなど様々であり、仔育てについても共通しません。卵を守り、孵った後も餌付けをする種から、自分のテリトリーの外に卵を産み付けたら放置をする種、さらに有史以来いまだ産卵が確認されていない種まで様々であることが報告されています。

しかし、これらすべての種に共通するのが、営巣地から卵が移動したのを感知する能力を持つことです。

もちろん、この能力にも種間で差があるため、留守を狙って卵を採取できる種もあれば、何千里も離れていたにもかかわらず、卵の採取が発覚してドラゴンが街ごと滅ぼした例もあります。新種のドラゴンによる被害について、この卵の採取仮説も含め、様々な仮説が王魔生研内でも検証され始めています。

近年まで、ドラゴンはこの特殊な知覚能力を持つため、卵生を選択すると考えられてきました。

ドラゴンは闘争が絶えない種であり、妊娠を選択した場合の戦闘における胎児の死亡リスクが高いことがひとつ。また、生態系の頂点に君臨し、営巣地に近づく他の動物が少ないことから、卵生の方が生存率が高くなると考えられます。

しかし、最近の研究結果から、どうやらそれだけが理由ではないことがわかってきました。

寒冷地に住むフロストリザード(Glaciatus属)の一種など、胎生のドラゴン近縁種における研究から、生活環境が著しく厳しい場合、かつて卵生だった種が胎生に進化することが明らかになりました。フロストリザードは、卵生であるフォレストレッサードラゴン(Acerunguis lustrum)が寒冷地に適応し、胎生へと進化した種であると考えられています。

このように、ドラゴンは厳しい環境に適応するため、胎生に進化するのが一般的です。

ドラゴンは、より強大で希少な種であるほど、他の生物では生存も難しい環境で生活することが報告されています。また、多産のドラゴンでも出卵数は胎生の動物種の出産数と大きく変わらないことから、出卵数を増やすといった生存戦略をとっていないことが知られています。

では、どうして卵生を選択し続けるのでしょうか。

ドラゴン学の権威であるアンダーソン教授との共同研究に、1,000年前の地層から発見された古龍の卵を孵化させ、飼育するプロジェクトがあります。現在、3つの卵のうち、2つを孵すことに成功し、ドラゴンの研究を大きく進歩させることに成功しました。この成果から見えてきたことがあります。

それは、ドラゴンの卵は条件を満たさなければ孵化しない、ということです。この孵化の条件については今後も研究が必要ですが、より一般的な種ほど単純な条件で孵化すると考えられています。また、もしドラゴンが胎生を選択するならば、この孵化の条件が出産の条件となり、条件を満たすまで胎児を抱えることとなる可能性が示唆されました。

つまり、より一般的なドラゴン種では、闘争時における胎児の死亡リスクと卵を盗まれるリスクの間のトレードオフで卵生を選択し、より希少な種では、出産条件を満たすまで胎児を抱えるリスクと厳しい環境リスクの間のトレードオフで卵生を選択したと考えられました。

現在、ドラゴンの近縁種であるレッサードラゴンや大蛇種の卵生・胎生選択から、中程度の環境リスクであると考えられる地域に生息する比較的孵化条件の緩いドラゴンが胎生を選択する理由について、研究を進めています。

今後の報告をご期待ください。

ウィザナリアを滅ぼしたドラゴン、新種と発表

学術都市ゾルドアは、ウィザナリアが滅亡した原因がまず間違いなく新種のドラゴンであると発表した。

元ウィザナリア領地、ヴィジョンディープの森林を調査中にドラゴンのものとみられる痕跡が多数発見されていた。痕跡には既存種との共通点がなく、複数の専門家によって新種と断定された。

国王の補佐官を務めるブラック・クリーナー氏によると、ウィザナリアの王都跡地でウィザナリア王の遺品を捜索中、飛竜隊の攻撃や大規模魔術の跡と共に、破損した記憶水晶も発見されていた。記憶水晶には、地に落ちた飛竜隊員とワイバーンを喰らうドラゴンの姿が映っており、見たことのない禍々しい角や翼の特徴に調査中の魔術師は度肝を抜かれたという。また、以前発見された鱗の分析結果も既存のドラゴンと一致していない。

ゾルドアはドラゴンの爪痕や吐いたブレスの痕跡などを採取・記録し、記憶水晶、鱗のサンプルと合わせて世界各国の専門家に送り識別を依頼したところ、返答は「このような種のドラゴンは見たことがない」というものだった。近く学会で新種として登録される。

また、このドラゴンが生まれた年代についての研究調査も進んでいる。数百年前からウィザナリア領内に生息していた可能性があり、同地域に残るドラゴンの逸話からも新種ドラゴンの特徴と一致する記述が見つかっている。

これまで最強とされていたのは旧ドラミルド国山林で見つかったアゴニスドラゴンだったが、ブレスの威力や国の壊滅状況から分析すると新種の強さは他の種を凌駕している。

ウィザナリア滅亡以降、新種ドラゴンの目撃情報は絶え、どの地域を縄張りにしているのかすら分かっていない。通常ドラゴンは山林を中心に世界中のあらゆる場所に生息する。

新種ドラゴンの居場所が不明であることから、世界各国はそれぞれ国民へ注意を呼び掛けている。