魔法生物とともに暮らす人々の生活を取材するこのコラム。記念すべき第1回は、錬金術に造詣が深いマリエラ女史に話を聞いた。
──マリエラ女史がともに暮らしている魔法生物は?
「メスのサラマンダーです。フレイヤという名前をつけました」
──サラマンダー!初回から珍しい魔法生物の話を聞けるなんて嬉しいです。
「ありがとうございます。でも、面白い話なんてないですよ?(笑)」
──まずは、ともに暮らし始めた切っ掛けをお聞きしても?
「フレイヤは師匠から預かったんです」
──お師匠様からですか。
「ええ。錬金術には火が欠かせないのですが、私、どうにも火炎系の魔法が得意じゃなくて・・・」
──なるほど、フレイヤちゃんは補佐役というわけですね。
「そうです。フレイヤがいないと、仕事が成り立たないんですよ」
──普段の生活はどんな様子ですか?
「サラマンダーは基本的には温厚ですので、のんびりまったり、という表現が一番しっくりきますね。フレイヤはお昼寝が大好きで、晴れた日はテラスに出て眠っています。可愛いですよ(笑)」
──ゆったりとした光景が目に浮かびます。他になにかエピソードなどはありますか?
「うーん・・・。あっ、去年の冬のことなのですが、フレイヤが私の膝でお昼寝したことがありまして」
──おお!なんと羨ましい!
「サラマンダーは火を司るので、体温が人間より十数度高いんです。膝に乗せていると身体がぽかぽかしてきて、すごく快適でした」
──なるほど。湯たんぽ要らずですね。
「そうですね(笑)ただ、気をつけていないと、寝ぼけて火を吹くことがあるので少々スリリングですが・・・」
──貴重なお話、ありがとうございました。これからも仲睦まじく過ごせることをお祈りしています。
「こちらこそ、ありがとうございました」