MSDS(魔法技能低下症候群)の治療用魔法をWHOが発表

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魔法技能低下症候群(Magic Skill Decrease Syndrome、MDMS)に対する治療と研究を続けてきたWHO(魔術師保健機構)は、6月21日に研究成果のレポートをバベルへと提出した。

MSDSの症状は、突如として魔法の使用が困難になる、あるいは技能そのものを失ってしまうもので、罹患すると魔法の使用で生活が成り立つ現在では致命的ともいえた。

WHOは、MDMSを「個々で貯蔵する魔力源から魔力を取り出す際の不具合」と結論付けた。

魔法を使用する際、体内に魔力を貯蔵する「魔力源」が、魔力を通す「疑似神経」に接続される。擬似神経を通じて魔力を指向性のある形で任意の場所に集めることで、魔法という形で世界に映し出される。その構造上、魔法が使えない原因は、魔力源に接続する疑似神経の不具合により魔力を取り出せないか、そもそも魔力自体が枯渇しているかのどちらかとされていた。

今回研究された魔法は、上記のどちらの場合でも対応できる、極めて画期的なものとなった。

その内容は「外部から疑似神経を通して魔力を流し、魔力源の回復と疑似神経の回復を同時に図る」というものだ。

バベルの定める医療魔法は「体に直接作用するもの」となっており、これまで体に重なった別次元にある魔力源と疑似神経へ作用する医療魔法は存在しなかった。

今回の魔法では、別次元にあるため直接手をさすことのできなかった魔力源と擬似神経へ直接作用する。転移魔法を使用する際の「次元・空間超越の技術」を応用し、体とは別の次元に存在する魔力源及び擬似神経に干渉する、医療魔法と転移魔法を組み合わせたものだ。

実際に運用するにはバベルの認可が必要だが、WHOの発表した画期的な魔法の今後に期待と関心が集まっている。

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