FBU(空を飛ぶホウキ組合)は6月23日、「ホウキ調整魔法陣」(通称:調整魔法)などを搭載した「先進安全ホウキ」に関する魔法使いの使用実態調査を発表した。調整魔法を搭載したホウキによる事故削減効果が認められる一方、魔法陣への過信が事故につながる危険性も指摘する。
空を飛ぶ魔法使いセンターが運営する相談データベースには2037年度以降、先進安全魔法陣関連の相談は計132件寄せられ、中でも高度調整ブレーキに関するものが109件(83.8%)を占めた。「魔法陣が作動しない場合がある」ことを知らずに事故を起こした事例や、「真バベルの塔を越えようとしたところブレーキがかかり、衝突した」といった事例があった。相談件数は年々増加しており、37年は33件、38年は37件、39年は11月末日までに26件となっている。
調整魔法陣は、先行するホウキや高度など周囲の危険を察知し、追突や衝突、酸欠の恐れがある場合に音や振動などで使用者に魔法での操作を促す機能。魔法での操作がなく追突や衝突が避けられないとシステムが判断した場合にのみ自動的に魔法が作動する。ホウキメーカーや箒種によっては、魔法陣の方式が異なり、作動する速度や高度などの条件にも違いがある。
「調整魔法陣は、あらゆる状況での事故を防ぐ装置ではない。例えば使い魔やドラゴンが急に飛び出してきた場合には作動しないこともあり、魔法使いは魔法陣を過信せずに安全に飛行する必要がある」(魔法使い安全協会)