ヴェール国立博物館が所蔵する古代魔導書『セクレート』の全ページをMeb公開した。魔晶スマホや一部の水晶玉から無料でアクセスできる。
『セクレート』は未解読の古代ユーリ・ヴァン語で書かれた魔導書で、15種類の魔法陣と儀式の手順、効果を説明していると推測されている。ただし、どのような内容の魔法が書かれているかは分かっていない。
ユーリ・ヴァンは、ヴェール国の首都ユーリ周辺を中心に栄えていた古代都市。遺跡は複数確認され、調査の対象となっているが、残された資料が少なくどのような魔法を使って生活していたのかは謎に包まれている。
そのため『セクレート』の内容を推測する手段はなく、古代ユーリ・ヴァン語の解読だけが頼みの綱だ。500年前に『セクレート』が発見されて以降、古代魔言語学者によって研究されているものの、曲線の多い複雑な字が多く解読は難航している。
ヴェール国立博物館は『セクレート』発見500周年を記念した特別展を開催すると共に、Mebページでも常設の解読研究ページを公開した。魔法陣を含む540ページと、これまで見つけられた中でも有力な5つの仮説がまとめられており、誰でも解読に参加できる。
謎に包まれた古代都市の魔法がどのような儀式を行い、どんな効果を発揮するのか。そしてなにより、現在も再現可能な儀式内容なのか。『セクレート』の内容とともに、古代魔言語学への注目も高まっている。