パレンティア王国国立博物館(写真)が16日、大規模企画展「もしも魔法がなかったら‐テクノロジーの永遠‐」を開催した。
同企画展はパレンティア王国内外の著名なアーティストを招き、共通テーマとして「魔法のない世界」を掲げ、制作物を発表した。
作品は魔法の対概念とされている「科学」を取り扱ったものが多い。精霊の力や魔力を使わず人工的な力でモーターを回す機械や、すぐ隣にいる妖精を視認せず、電気の力で動くデバイスを見つめ続ける人間の絵等が展示されている。
「充分発達した魔法は、科学と見分けがつかない」魔法工学の権威であるアーサー氏はかつてこう語った。科学は魔法と違い、自らに魔力がなく、術式を理解しない者でもボタン一つで利便性を享受することができる。しかし、発展を続ける現代の魔法も、術式の簡略化や素材の保存性の向上などでその利便性は多くの人々にいきわたるようになってきている。
テクノロジーの永遠は、いつか魔法の神秘をも内包していくのかもしれない。
初日に企画展を見学した来場者は、「魔法がなく、精霊もいない世界なんてつまらない」「この広い世界のどこかには、魔法のない場所があるのかも」「魔法がなければ、人は魔法使いの古いしきたりや家柄に縛られることなく、自由に職業や住む場所を選ぶことができるだろう」などのコメントを寄せた。